人間はなぜ不安や恐怖を感じるのでしょうか？

誰しも生まれた当初は大泣きして出てきます。そして、基本的には母親に抱かれ、安心感を覚え泣き止みます。母親から離されそうになるとまた泣き叫び、ずーっと母親に抱かれていたいという意思表示をします。

これは生まれた時から、人間に与えられた本能です。

生みの親に絶対的な信頼を寄せていて、そこに抱かれることで安心感を覚えます。逆に離れると不安で恐怖を感じるようになっています。

小さな幼児が初めて行く幼稚園や保育園で、なかなか母親と離れられず、大泣きする子が多いですよね。

これは赤ちゃんや子供だけでなく、大人でも同じことです。

人間の生みの親とでも言うべき、「神様」と離れると不安や恐怖を抱くようになっています。

全世界で約７０億人の人がこの地球上に住んでいますが、ほとんどの人が何かを信仰し、宗教団体に所属しています。宗教や哲学、固定した思想を持たない「無宗教」と言われる人でさえ、神社の参拝やクリスマスのお祝い、宗教的行事だけにとどまらず、「神」という言葉を日常的に使用しています。

人間の生みの親・創造主をなんと呼ぶかは人それぞれですが、日本人が一番しっくりくるのは、やはり「神様」じゃないでしょうか。「神社」が今も至るところに現存している事実を観ても、日本人にとって「神様」はとても身近な存在です。

この生みの親である「神様」から離れれば離れるほど、不安や恐怖を感じ、逆に側に、近くにいればいるほど安心します。「神様」を一番感じやすい大自然、パワースポットとも呼ばれる、マイナスイオンたっぷりの場所に誰もが行きたがるのは、感覚として、自然にそういう場所に「神様」を感じるからだと思われます。

歴史を詳しく調べたわけではありませんが、日本人が「神様」との距離が離れれれば離れるほど、苦労しているように各時代をみると感じます。

現代では政教分離や教育でも「神様」という単語自体を使わないように、どんどん「神様離れ」していることもあり、うつ病などの精神病が流行し、不安や恐怖に怯えている人が数多くいます。

「神様」というのは、別に漠然としたものではなく、いろんなものに例えることができるのですが、例えば、車でも路面との接触感覚が離れるほど不安になり、恐怖を感じますが、しっかりと地面をグリップし、くっついている感覚があれば安心です。

球技などのスポーツでも、できるだけ球が自分の身体と一体化すれば安心ですが、離れているほど不安でコントロールが難しくなります。

アートなどの芸術や音楽や小説などのクリエイティブなことも、自分だけであれこれ考えるよりも、歩いていたり、大自然との触れ合いの中で、地球の万物との接点を縮める中で、創作されるものが多々あります。

今の日本では「孤独死」という言葉も出てきたぐらい、「孤独」の問題が非常に大きくあります。昔のような地域のコミュニティもなくなり、近所付き合いや祭りなどの行事の繋がりもどんどん減り、コロナで更に人間関係が希薄化され、ますます不安な精神状態に拍車をかけられるような時代です。

「神様」の存在が自然や近くの人々、身近の家族や友人から感じられれば、この世界から「自殺」などというものはなくなるのでしょうが、どうしても「孤独」を感じ、己の死を選ぶ人々がいます。

そもそも、自分だけの生命でもなく、自分で生命を維持しているわけでもないので、自らの死を選ぶというのは絶対にあってはならないことなのですが、ここで「自殺」の是非を問いたいわけではありません。

すべての人が「母親」から生まれてくるように、人間の生みの親とでもいうべき「神様」は存在します。見えないし、触れないし、話せないけれども、大自然を通じて、他人を通して、人生の中で、様々なメッセージ、神の存在を感じることができます。

万人に等しく与えられる天の恵み。太陽の輝きや雨の潤い、きれいに咲く花々に偏見はなく、鳥のさえずりも等しく皆に聞こえてきます。

赤ちゃんがずーっと母親に抱っこされているわけにはいかないように、誰しも成長して自立していく必要があるとはいえ、人間はいつまでも「神様」の子供です。

地球を「神」とするならば、生きている限り、地球に抱かれ、地球という球体の懐に包まれています。これは絶対的な事実であり、それをどう感じるかはあなた次第です。

子が親に何かを求めるように、我々も「神様」に求めれば与えられます。足元で常に見守ってくれているので。

愛が欲しければ、愛を要求してください。「神様」は、そんなこと要求されても困る！なんて言いません。どこまでも求めてかまわないと言っているでしょうし、とことんあなたの要求にこたえようとして待っています。

これは人間でも「親心」になってみればわかることです。どんなに年を重ねても、常に親は親であり、子から求められ、頼りにされ、信じてもらいたいと思っているんです。

もちろん、子供の自立のために、ある程度の距離感は成長とともに必要ですが、それでも「親バカ」という言葉があるように、やっぱり、親は子供のために尽くしたい、与えたい、支えたいと思うんです。

「神様」を感じてください。

どこにでもいます、いつでもいます。「大自然」に触れれば、その偉大さ、壮大さに畏敬の念を抱くはずです。我々のちっぽけな悩みや恐怖が全部、吹き飛ばされます。

あらゆる問題の根幹の原因が、この「神様」との距離感、一体となれない人間の愚かさ、傲慢さ、無智にあり、親子が一心同体、付かず離れずといった距離感で共にあれば、何事も成し遂げられ、何も問題などなくなります。

まずは、やってみてください。

「神様」を感じる場所に行く、「神様」と対話してみる、「神様」を夢の中で出してみる、なんでもいいんです。

変な制約をかける宗教とは違い、別に自由に「神様」を想像していいんです。「こうじゃなきゃいけない」という制約がある「神様」は偽物です。あなたが思うがまま、感じるがままの「神様」を、ぜひ、日々の生活の中に取り込み、共に、一緒に歩んでいってみてください。

れいち理論