第13問 「法律行為の基礎とした事情と錯誤」
KYOU Kにより
1. 第1、X→Yの本件売買取消に基づく原状回復請求(121の2第1項)としての、目的物と引換に代金180万円請求可?
1.1. 1、「無効な行為」(同条項)
1.1.1. ⑴Xは本件売買を錯誤取消をし、「初めから無効であった」と主張(121)
1.1.2. ⑵錯誤取消(95)可?
1.1.2.1. ア、1項要件
1.1.2.1.1. (ア)同1項各号に「掲げる錯誤」(同条項柱書)にあたるか
1.1.2.1.2. (イ)本件売買はこの「錯誤に基づくもの」
1.1.2.1.3. (ウ)本件売買の「目的及び取引上の社会通念に照らして重要なもの」
1.1.2.2. イ、もっとも、1項2号該当の錯誤の取消は2項要件充足が必要
1.1.2.2.1. (ア)「表示」
1.1.2.2.2. (イ)Xは表示している。さらに売買経緯。単に表示したのみでなく、「水仙」が売買の目的・内容となっていたと言える
1.1.2.2.3. (ウ)2項充足
1.1.3. ⑶Xは錯誤取消できそう。もっともYは「表意者」Xの「重大な過失」(同3項)を主張。主張可?
1.1.3.1. ア、確かに販売業を営むXは過失あり
1.1.3.2. イ、しかし、仮に重大な過失であっても、相手方Yも販売業であり、10年という経験豊富さ。少なくともXよりも重大な過失があり、本件は同1号に「掲げる場合」にあたる(同柱書)
1.1.3.3. ウ、Yは主張不可
1.1.4. ⑷したがって取消権者(120)Xは、相手方への意思表示をもって取り消しうる。(123)
1.2. 2、したがってYは原状回復義務を負う(121の2)ので、本件請求可
2. 第3、両請求の関係
2.1. 第1請求は契約にかかる意思表示の瑕疵、第2請求は契約目的物の瑕疵をそれぞれ原因とする法的には別個の請求と考えるべき
2.2. 請求権競合にあたり、Xはどちらも主張可能
3. 第2、X→Yの本件売買解除に基づく原状回復請求(545条1項本文)としての、目的物と引き換えに代金180万円請求可?
3.1. 1、第1に述べた通り、目的物は本件売買の目的に適合しない。よって、Yは契約不適合責任を負う(562以下)
3.2. 2、これはYが「債務を履行しない場合」にあたるので、Xは本件売買を解除することができる(541本文または542条1項、564)
3.2.1. よって、「解除権」者Xは「相手方に対する意思表示」をもって解除権を行使できる。(540条1項)