
1. 作文と表記の教育
1.1. 作文
1.1.1. 表記作文
1.1.2. 口頭作文
1.1.2.1. 作文において大切なのは、書くことより も書く前の作業。学習者にとって文を組 み立てることがまず大きな課題
1.2. 自分の考えをまとめるとい うことは、日本語能力の向上につながる
1.2.1. 但し、学力の程度によった 作文を行わせること
1.2.1.1. 辞書を引いて発見した語彙をつなぎ合わ せて長い文を作るということは、語学力 を伸ばすことにはならない
1.3. 練習方法
1.3.1. ディスコース練習
1.3.2. 枠にはめる練習
1.4. 作文の添削
1.4.1. 注意
1.4.1.1. 漫然と間違いを正すのではなく、作文出題の目的、 添削の目的を十分に考えることが大切
1.4.2. 方法
1.4.2.1. 1.その枠に生かされているかどうかを確かめる
1.4.2.2. 2.表現の意図を確かめる
1.4.2.3. 3.表現の直し方
1.4.2.4. 4.自分で直させる
1.4.2.4.1. 正しい表現を自分で考えさせる
1.4.3. 評価
1.4.3.1. 内容の評価
1.4.3.1.1. 伝達性
1.4.3.1.2. 論旨の一貫性
1.4.3.2. 表現の評価
1.4.3.2.1. 構文
1.4.3.2.2. 語彙
1.4.3.2.3. 表記
1.5. 漢字学習の問題点
1.5.1. 読み
1.5.1.1. 覚えるべき漢字の数
1.5.1.1.1. 外国人のための日本語 能力試験での目安
1.5.1.1.2. 最もよく使われる500字を選んで練習すると、 日本人がよく使う漢字の80%が分かる
1.5.1.2. 熟語の読み
1.5.1.2.1. 熟語の読みは複雑で、外国人に とっては大変なもの
1.5.1.2.2. 学習の特効薬はない。何回も見て、 その語になじむしかない
1.5.1.2.3. 読み方を丸暗記させるのではなく、文脈 の中で使えるようにすることが大切
1.5.2. 書き
1.5.2.1. 常用漢字
1.5.2.1.1. 2136字
1.5.2.2. 正書法に従うほうが学習者にとって有利
1.5.2.2.1. 正書法とは: 語の正しい書き表し方のこと
2. Fluencyの教育とは何か
2.1. 外国語教育における教育
2.1.1. 滑らかさの教育 Fluency
2.1.1.1. 中・上級では、こちらに重点がおかれる
2.1.2. 正確さの教育 Accuracy
2.1.2.1. 初級では、こちらに重点がおかれる
2.2. 滑らかさの教育について必要なこと
2.2.1. 動機付けと興味の喚起
2.2.1.1. 学習者に学びたいという気持ちがなけれ ばうまくいかない
2.2.2. 学習者のニーズに合わせる
2.2.2.1. ニーズ・アナリシスを考え る
2.2.2.1.1. ニーズ・アナリシスとは: 学習者にとって日本語がどのような形で 必要なの かのニーズを分析すること
2.2.2.1.2. ニーズに合った学習は動機付けを高め、 興味もわかせることにつながる
2.2.3. 現実のコミュニケーションに合う教育
2.2.3.1. 現実のコミュニケーションの姿
2.2.3.1.1. 学習者が日本語で、自分の意志で話した いことを話し、読みたいことを読み、聞 きたいことを聞き、書きたいことを書く こと
2.2.3.2. 教育者の一方的な押し付けを排除しなけ ればならない
2.2.3.3. 教育活動の例
2.2.3.3.1. シナリオ・ドラマ
2.2.3.3.2. 即興ドラマ
3. Fluencyの教育に用いられる 教材と教室活動
3.1. 総合教材から技能教材へ
3.1.1. 初級
3.1.1.1. Accuracy教育
3.1.2. 中級
3.1.2.1. Fluency教育
3.1.2.1.1. 会話の練習のための教室活動
3.1.3. 上級
3.1.3.1. レアリア教育
3.1.3.1.1. レアリアとは: 読解であれば新聞そのもの、聴解であ ればTV番組などを教材として使うこと
3.2. 読解の教室活動
3.2.1. 一般的な新聞を読 む時の読解行動
3.2.1.1. 1.見出し読み
3.2.1.1.1. まず読みたい記事を選ぶために、見出し をの中に使われている単語を見て、自分 の読みたいものかどうかを決める
3.2.1.1.2. 2.スキミング (大意取りの読み)
3.2.1.1.3. 2.スキャニング (情報取りの読み)
3.2.1.1.4. 2.マッチング (照らし合わせの読み)
3.2.2. タスクリーディング
3.2.2.1. ある教材を読解させた後、その内容につ いて何かをさせる教室活動のこと
3.2.2.2. 例
3.2.2.2.1. 表作りのタスク
3.2.2.2.2. 資料作りのタスク
3.2.2.3. 利点
3.2.2.3.1. Fluency教育として適切
3.2.2.3.2. 教室活動の中にきちんとした目標が設定 でき、目標に向かって活動できる
3.2.2.3.3. 学習者にとって学習項目が理解しやすくなる
3.2.2.3.4. 学習者に動機付けを与えることができる
3.3. 聴解の教室活動
3.3.1. 4技能の中で「聞く」という技能を使っている時間が 最も長く、言語活動の約半分を占めている
3.3.2. いつでも録音機器を持ち歩いているわけ ではないため、原則的にまったく同じも のを聞き直すことはできないし、繰り返 し聞いたり、前に戻って読み直したりす ることができない。
3.3.2.1. 私たちは、聞くという行動をしている時 は、必然的に「速聴」を強いられている
3.3.3. 聴解行動
3.3.3.1. 聴解行動の基本プロセス
3.3.3.1.1. 1.前提(既知の情報)
3.3.3.2. いろいろな聴解行動
3.3.3.2.1. スキミング (大意取りの聞き)
3.3.3.2.2. スキャニング (情報取りの聞き)
3.3.3.2.3. マッチング (照らし合わせの聞き)
3.3.3.2.4. ハイポセシス・ラスティング (予想立ての聞き)
4. 上級でのFluencyの教育
4.1. 日本語教育の教科書
4.1.1. 初級
4.1.1.1. 4技能を総合的に身につけさせるためのも のが多い
4.1.2. 中級
4.1.2.1. 4技能それぞれについての個別の教材を用 いることが多い
4.1.3. 上級
4.1.3.1. 4技能をさらに総合的に身につけさせたいが、 多くの教科書は中級止まり
4.2. 上級者の教室活動
4.2.1. シュミレーション
4.2.1.1. 実際に目標言を使って行う大がかりな活 動を、できるだけそのまま教室の中で実 現するやり方
4.2.1.2. 注意事項
4.2.1.2.1. 教師側から何かを押し付けるということ は極力避ける
4.2.1.3. 含まれるもの
4.2.1.3.1. オン・ザ・ロードの練習
4.2.2. プロジェクトワーク
4.2.2.1. シュミレーションをさらに発展させたもの
4.2.2.2. 含まれるもの
4.2.2.2.1. オン・ザ・ジョブの練習
5. Fluencyの教育上の留意点
5.1. Fluency教育は、Accuracy教育が定着して いることが原則
5.1.1. しかし
5.1.1.1. 実際は、Fluency教育の中に、必要最小限 度のAccuracy教育の要素が必要
5.1.1.1.1. 必要最小限とは?
5.2. 日常の言語行動では、コミュニケーショ ンする時、そこで使われる語彙や表現の すべてを理解しているわけではない
5.2.1. なぜなら、日常には 雑音があるから
5.2.1.1. 雑音
5.2.1.1.1. 物理的雑音
5.2.1.1.2. 心理的雑音
5.2.1.2. しかし
5.2.1.2.1. だからと言って、コミュニケーションが うまくいかないというわけではない
5.2.2. 人によって理解語彙が違う
5.2.2.1. 日常使用する言葉の範囲は、その人がど んなことに興味を持っているかで違って くる
5.2.2.1.1. しかし
5.3. インタビューという言語行動
5.3.1. 押さえておく べき条件
5.3.1.1. なんのために、どういう立場の人間が インタビューするのかを明確にすること
5.3.1.2. 相手に話しやすい雰囲気を作ること
5.3.1.3. 聞き出したい問題について、明確に手短 に説明すること
5.3.2. この条件で漏れていることを身につけさせる ことが必要最低限のAccuracy教育となる
5.3.2.1. ただし、教室活動内でAccuracy教育を 行うと、Fluency教育の流れが壊れる
5.3.2.1.1. そのため、学習者には前もって自宅 学習をさせておくことが必要
5.4. エラーの訂正
5.4.1. 実際のFluency教育の場ではエラー(誤用) が出てくることは避けられない
5.4.1.1. エラーを訂正せずにいると
5.4.1.1.1. 学習者は学習したという満足が得られない
5.4.1.1.2. 学習者から信頼されなくなってしまう
5.4.1.1.3. エラーが訂正されないまま化石化すると、 後で直そうとしてもなかなか直らない
5.4.1.2. 自然なエラーの訂正の方法
5.4.1.2.1. フィードバック
5.5. コミュニケーション・ストラテジーの教育
5.5.1. コミュニケーション・ストラテジーとは: コミュニケーションの障害が起こった 時、それを乗り越え、コミュニケーショ ンの目的を達成させるための手段のこと
5.5.2. Fluency教育に入る前に、最小限のコミュ ニケーション・ストラテジーを身につけ ておくことは、とても重要
5.5.2.1. 相手の話の中に分からない言葉が出てき た時に、その意味を説明してもらう
5.5.2.2. 聞き取れない部分があった時、聞き直し をする
5.5.2.3. 読解や聴解の時に、分からない言葉が 出てきた時、素早く辞書を引く
6. 音声の教育
6.1. 音声教育に対する態度
6.1.1. 「日本人に違和感を起こさせない発音」という目標を常に忘れずに、正しい方法 で努力させることが大切
6.1.2. 教師の側が、外国人だから発音は少しぐらい変でもかまわないという考えを絶対 に持ってはならない!
6.1.3. 最初の段階で習慣化した発音は後から直しにくいと考えられ、発音はもう直らな いとあきらめてしまう学習者もいるが、直らないということは決してない!
6.1.4. 教師が「発音はコミュニケーションに大切」という信念を持つ事が大切!
6.2. 発音矯正の工夫
6.2.1. リズム練習
6.2.1.1. 授業の最初の数分間に、リズムよく練習させると効果が大きい!
6.2.2. 段階的な練習
6.2.2.1. 新しい語彙や文型を導入する時
6.2.2.1.1. 発音は十分に練習させる
6.2.2.2. 代入練習や応答練習をする時
6.2.2.2.1. 部分的に治す
6.2.2.3. 学習者が自分の文を発表したり、 討論を行う場合
6.2.2.3.1. 途中でさえぎって直すことせず、メモを取っておくなりして、 後で治す
6.2.3. 矯正の目標
6.2.3.1. 目標を立てて矯正するようにしたほうが、能率が良い
6.3. 特に矯正すべきこと
6.3.1. 音節の数を正しく把握させる
6.3.2. 特殊な音の復習
6.3.2.1. 母音の連続
6.3.2.1.1. 例
6.3.2.2. つまる音
6.3.2.2.1. 例
6.3.2.3. はねる音
6.3.2.3.1. 例
6.3.2.4. 無声化
6.3.2.4.1. 例
6.3.2.5. 鼻濁音
6.3.2.5.1. が行のこと
6.3.2.6. アクセント
6.3.2.7. プロミネンス (卓立(たくりつ))(センテンス・アクセント)
6.3.2.7.1. 文の中でどの文節が高いかを示すもの
6.3.2.8. イントネーション
6.3.2.8.1. 疑問を示す「か」などのない疑問文
6.3.2.8.2. 引き延ばすイントネーション
6.3.2.8.3. 独り言的な挿入句
6.3.2.8.4. ためらいがちな調子
6.4. 聞き取りの訓練
6.4.1. 聞き取り能力を伸ばす ために役立つ練習
6.4.1.1. 小さい単位での聞き取り
6.4.1.1.1. 発音の練習の際に問題になった 点の聞き取り練習を強化する
6.4.1.1.2. 聞き取り練習
6.4.1.2. 大きなまとまりでの聞き取り
6.4.1.2.1. 音声を聞かせる前に、聞くべき要点を 指示しておくと効果が高い
6.4.1.3. 予測能力を付ける指導
6.4.1.3.1. 実際の会話などでは、1つの文を全部聞き終わって初めて全体の意味が分かるとい うことはあまりない。聞きながら、次に聞くことをある程度予測しながら聞いて いる。
6.4.2. 教師の話し方
6.4.2.1. いつも分かりやすい不自然な速度で話すことは、学習者に対してかえって不親切なので注意!
7. 中・上級の日本語教育
7.1. 初級・中級・上級の基準
7.1.1. 中・上級
7.1.1.1. N1
7.1.1.1.1. 幅広い場面で使われる日本語を理解する ことができる
7.1.1.2. N2
7.1.1.2.1. 日常的な場面で使われる日本語の理解に 加え、より幅広い場面で使われる日本語 をある程度理解することができる
7.1.1.3. N3
7.1.1.3.1. 日常的な場面で使われる日本語をある 程度理解することができる
7.1.2. 初級
7.1.2.1. N4
7.1.2.1.1. 基本的な日本語を理解することができる
7.1.2.2. N5
7.1.2.2.1. 基本的な日本語をある程度理解すること ができる
7.2. 中・上級の上限 -- 学習目的
7.2.1. それぞれの学習者がどういう面で日本語を使うことを望んでいるか、どんな種類 の能力を得たいと考えているのかによって、目標が異なってくる
7.2.1.1. 学習者の目的をよく知ることが必要
7.2.2. 中・上級の場合、「専門違いでもこんなことは日本人としては常識だから」とい う考えで、教師の趣味や興味を押し付けることは禁物
7.3. 教師の教養
7.3.1. 一般的な教養を積むことと、何か自分の 興味のある分野について深く勉強しておく ことが必要
7.3.1.1. たとえ学習者の興味と全く別のことで も、深い興味を持って研究するという態 度をもつ
7.3.1.1.1. 学習者の考えを理解することに役立つ
7.4. 中・上級の練習方法
7.4.1. 中・上級では、読解の教育に偏ってしま うことが多くなる
7.4.1.1. しかし
7.4.1.1.1. 読む力が重視される場合でも、聞く・話 す練習は中断させずに続けていくこと が、結果読む力の向上につながる
7.4.2. 読解の理解確認
7.4.2.1. 学習者が理解したかどうか を確かめる方法
7.4.2.1.1. 翻訳させる方法
7.4.2.1.2. 質問に答えさせる方法
7.4.2.1.3. 要約させる方法
7.4.2.1.4. 文を完成させる方法
7.4.3. 文型練習
7.4.3.1. 代入練習
7.4.3.1.1. 長い文を作る文型練習
7.4.3.1.2. 二文をまとめる文型練習
7.4.3.1.3. 段落を作る練習
7.4.3.2. 文完成練習
7.4.3.2.1. 教師が文の前半を言って、学習者に後半 を言わせる練習のこと
7.4.3.3. ディスコース練習
7.4.3.3.1. 会話的な発展で練習する方法
7.4.4. 聞き取り
7.4.4.1. まとまりの聞き取り
7.4.4.1.1. ある程度の長さ、段落程度のものを、 まとめて聞かせて内容を要約させる方法
7.4.4.2. 文単位の聞き取り
7.4.4.2.1. 中・上級の長い文の場合は、少しずつ 切って、そこまでの部分を言わせる方法
7.4.4.3. 予測能力会話
7.4.4.3.1. 会話などでは、途中まで聞いて、後で分かることがある。この予測能力は、母語話者なら備わっ ていることが多いが、学習者では十分でない場合が多い。学習者にもできるだけこの力をつけさ せたい。
8. 構文の教育
8.1. 助詞
8.1.1. 助詞
8.1.1.1. 助詞の問題
8.1.1.1.1. 外国人が日本語を学ぶ時、 助詞の「てにをは」が一 番難しいと言われる
8.1.1.2. 学習者が難しいと訴えるもの
8.1.1.2.1. 「が」と「を」の区別
8.1.1.2.2. 「に」と「で」の区別
8.1.1.2.3. 「は」と「が」の区別
8.1.1.3. 練習方法
8.1.1.3.1. 1.動詞による使い分けを教える
8.1.1.3.2. 2.内容のある発話へ発展させる
8.1.2. 終助詞
8.1.2.1. 「ね」
8.1.2.1.1. 相手と共通の情報を確認したり、相手の共感を求める時に使う
8.1.2.2. 「よ」
8.1.2.2.1. 相手の情報や共感に関係なく話し手の情報を伝えるもの
8.1.2.3. 「ね」や「よ」は、対人関係を円滑にするのに使われることが多々あるが、乱用 しないように指導する必要がある
8.1.2.3.1. 特に、改まった話し方 の場合は乱用NG!
8.1.2.4. 作文などには使わないことも指導する必要がある
8.1.3. その他の助詞
8.1.3.1. 「だけ」と「しか」
8.1.3.1.1. この2つの違いは、事実の違いではなく て、話し手の感じ方の問題
8.1.3.2. 「でも」
8.1.3.2.1. 例えば、「お茶でも飲みましょう」は、 お茶でなくてもいいという緩やかな誘い や要求で、使われる場面は限られる
8.1.3.3. 「なんか」
8.1.3.3.1. 例えば、「わたしなんか」は自分が無能 であることを強調している。これはどん な場合に使われるのかを考えて教えなけ ればならない
8.1.3.4. 「たり」が一度しか使われない場合
8.1.3.4.1. 例えば、「女が山に登ったりすると」の 「たり」は次の語句を暗示させるもの で、どのような語句が暗示されているの かを理解させなければならない
8.1.4. 助詞相当連語
8.1.4.1. 「をして・について・をもって・によって」など
8.2. 動詞
8.2.1. 動詞は、助動詞と一緒に使われることが多いので、この2つはまとめて教えたほうが良い
8.2.2. 補助動詞
8.2.2.1. 動詞の中でも、「動詞+て」の後に使われる動詞
8.2.2.1.1. 例
8.2.3. 受け身
8.2.3.1. 分類
8.2.3.1.1. 書き言葉的な分の中で使われるもの
8.2.3.1.2. 日常生活で使われ、話し手の立場が強く表れるもの
8.2.3.2. 機械的に練習させるのではなく、場面がはっきりわかるように教えることが大切
8.2.4. 可能
8.2.4.1. 初級で習う「~ことができる」は、中・上級になると 「~える」という表現にステップアップさせて指導する
8.2.4.1.1. 日本語では、「可能」は否定形が主
8.2.4.2. 可能表現の形がすべて動詞につくわけではない
8.2.4.2.1. 自然現象についての表現や無生物を主語に した表現には、通常、可能形がつかない
8.2.5. 使役
8.2.5.1. 「~させる」という表現形態
8.2.5.2. 日本語の使役は、「強い立場の者が弱い 立場の者に強制する」という場面に多く 使われる
8.2.5.3. 使用頻度の高いもの
8.2.5.3.1. 許可を求める形
8.2.5.3.2. 使役の受身形
8.3. 形容名詞
8.3.1. 「こと」「とき」「ところ」「はず」「わけ」「もの」のような語
8.4. コソアド
8.4.1. 「これ」「それ」「あれ」「どれ」「この」「その」「あの」「どの」などの語
8.5. 接続関係
8.5.1. 「~ので」と「~から」
8.5.1.1. 適切な場合と不適切な場合を教える
8.5.1.1.1. 例
8.5.2. 「~のに」
8.5.2.1. 意外・非難・失望を表す
8.5.3. 「~ば」
8.5.3.1. 必ず期待した結果が表れるという含みを持つ
8.5.4. 「~たら」
8.5.4.1. 勧誘に用いられる
8.5.5. 「~と」
8.5.5.1. 原因・結果の関係を表す
8.6. 新しい段落を導く言葉
8.6.1. 逆接の意味を含まない「しかし」
8.6.1.1. 別の話題を持ち出して、それに対する判断や感情を述べる時に使う
9. 語彙の教育
9.1. 語彙
9.1.1. 日本語では、待遇表現と文体の違いか ら似たような言葉を2つ以上区別して 言う場合が多い
9.1.1.1. 待遇表現
9.1.1.1.1. 相手に対しての敬卑などの気分による人間関係の あり方に応じて語彙を変える
9.1.1.2. 文体
9.1.1.2.1. 書き言葉と話し言葉では語彙が違う
9.1.2. 漢語と和語
9.1.2.1. 訓読み(和語)と音読み(\漢語)の違い
9.1.2.2. 日本人は、和語のほうが簡単だと思って いるが、外国人にとって必ずしも和語の ほうが優しいとは限らないことに注意
9.1.3. 物の数え方
9.1.3.1. 漢語の数え方
9.1.3.1.1. いち、に、さん、し・・・
9.1.3.2. 和語の数え方
9.1.3.2.1. ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ・・・
9.1.3.3. 助数詞
9.1.3.3.1. 漢語の数詞につくもの
9.1.3.3.2. 和語の数詞につくもの
9.1.4. 外来語
9.1.4.1. 日本語になると、元の意味が狭くなった り変わってしまったりすることがあるた め、外国人には分からないものが沢山あ ることに注意
9.1.5. 男性と女性の言葉の違い
9.1.5.1. 中・上級では、くだけた話し方が導入される
9.1.5.1.1. くだけた話し方には性差がある
9.1.6. 接頭辞
9.1.6.1. 「お」や「ご」などの語
9.1.6.1.1. 例
9.1.7. 待遇表現
9.1.7.1. 文法的な要素
9.1.7.2. 語彙の要素
9.1.7.2.1. 場面が分かるようにして 教えることが大切
9.1.7.3. 外国人の学習者が難しいと感じるのは、 いつ、誰に、どの程度丁寧な言葉を使っ ていいかが分かりにくいこと
9.2. 指導法
9.2.1. 語彙を体系的に教える
9.2.1.1. 親族関係・役職など
9.2.1.2. コソアド
9.2.1.3. 擬音語・擬態語
9.2.1.4. 漢字熟語
9.2.2. 構文との関係で教える
9.2.2.1. 呼応
9.2.2.1.1. 文の初めに来た言葉によって、後に来る 部分が制約されること
9.2.2.2. 否定を導く語
9.2.2.2.1. 例
9.2.2.2.2. 文の最後にこれらの語をつけると、その 後の言葉は濁すことができる
9.2.2.3. 意味の上での「否定」
9.2.2.3.1. 「です」で終わっていても、意味の上で 否定的な語が使われている場合
9.2.2.4. その他の呼応
9.2.2.4.1. 「どうも」
9.2.3. 文型練習に織り込む
9.2.3.1. 文型練習の工夫
9.2.3.1.1. 中・上級では語彙量が膨大なため、全て を教え込むことは不可能であり、不必要
9.2.3.2. 話しかけ・問いかけによって
9.2.3.2.1. 語彙を繰り返す練習をさせる
9.2.3.2.2. 同義語を思い出す練習をさせる
9.2.4. 理解語彙から使用語彙へ
9.2.4.1. 使用語彙を増やしていく努力が必要
9.2.4.2. 理解だけにとどまっている語彙も、順に 使用語彙に仲間入りさせるようにしていく