1. もくじ ⒈今回の症例は気管支喘息 ⒉診断の根拠となる所見 ⒊観察のポイント ⒋鑑別診断として考えること ⒌救急隊の対応
1.1. 今回の症例は気管支喘息
1.1.1. 気管支喘息では急激な容態変化が予想される。
1.1.2. 私なりの考察も含めたので、ご参考に。
1.2. 診断の根拠となる所見
1.2.1. ・長時間の呼吸困難
1.2.2. ・呼気性換気障害
1.3. 観察のポイント
1.3.1. 呼気延長
1.3.1.1. 喘息発作時では特に呼気時(空気をはき出す時)に息を十分出すことが出来なくなるため呼気時間(空気をはき出すに要する時間)の延長がみられる。
1.3.2. サイレントチェスト
1.3.2.1. サイレントチェストとは、呼吸音を聴診した際に、副雑音が消失してしまうこと
1.3.2.1.1. =重篤状態を考える。
1.3.3. 喘息の重症度・緊急度評価
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1.3.4. 会話不能、歩行不能、横になれない等
1.3.4.1. IMG_BA081C393F72-1.jpeg
1.3.4.2. 会話困難は喘息大発作に該当。
1.3.4.3. 早期医療機関へ搬送を!
1.3.5. 季節・時間帯の把握
1.3.5.1. 発作は夜間、早朝に起こりやすい。
1.3.5.2. 6月や9月の季節の変わり目に起こることが多い。
1.3.6. 喘鳴呼吸の有無
1.3.6.1. 気道が狭くなるため、空気の流れが乱れて喘鳴(ヒューヒューという音)が生じる。
1.4. 鑑別診断として考えること
1.4.1. 考えられる疾患
1.4.1.1. 但し、あくまで鑑別のため
1.4.1.2. **今回の指令内容からまず疑わなければならないのは「気管支喘息」!**
1.4.1.3. 大前提は、緊急性が高く、早期搬送が必要な疾患に目を向けよう!
1.4.2. 呼吸困難
1.4.2.1. COMMON(頻度:高)
1.4.2.1.1. 心不全
1.4.2.1.2. 胸水
1.4.2.1.3. 市中肺炎
1.4.2.1.4. 気胸
1.4.2.1.5. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
1.4.2.1.6. 気管支喘息
1.4.2.2. LESS COMMON(頻度:中)
1.4.2.2.1. 心筋梗塞
1.4.2.2.2. 肺塞栓症
1.4.2.2.3. アナフィラキシー
1.4.2.2.4. 喉頭蓋炎
1.4.2.2.5. 貧血
1.5. 救急隊の対応
1.5.1. 吸入薬の所持、使用の可否を確認
1.5.1.1. 吸入薬を使用している場合、病院連絡時に伝える
1.5.2. 喘息の重症度・緊急度評価【現場活動】
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1.5.2.2. 軽度〜中等度発作
1.5.2.2.1. 酸素吸入によって改善
1.5.2.3. 高度発作
1.5.2.3.1. 酸素投与のみではSpO2が改善しないこともある
1.5.2.4. 重篤発作
1.5.2.4.1. バッグ・バルブ・マスクの使用にもかかわらず、全身症状・SpO2値の改善がみられない場合には、スクイジングによる呼吸介助を考慮する
1.5.3. 搬送先医療機関の選定
1.5.3.1. 軽度〜中等度発作の場合
1.5.3.1.1. かかりつけの医療機関あるいは二次救急医療機関へ搬送
1.5.3.2. 高度以上の場合
1.5.3.2.1. 救命救急センターを考慮