第25問 時効の完成猶予・更新

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第25問 時効の完成猶予・更新 by Mind Map: 第25問 時効の完成猶予・更新

1. 第1、小問⑴について、AのBに対する消費貸借契約(587)、利息特約(589Ⅱ)に基づく甲乙債権残金400万円返還請求の可否

1.1. 1、甲乙債権は有効に成立している

1.2. 2、これに対し、Bは甲乙の存在を認めつつ、その消滅時効(166)の成立を主張

1.2.1. ⑴甲乙債権は2021・3・10までに成立し、弁済期をその一年後に定めている。

1.2.1.1. よって、その5年後2027・3・10に消滅時効が成立するのが原則(同1項1号)

1.2.2. ⑵もっとも、Aは2026・11に返済を催告(150)している

1.2.2.1. これは同15日のBへの配達(「送達」)をもって効力を生ずる(97条1項類推適用)ので、6ヶ月は時効の完成が猶予される(150条1項)

1.2.3. ⑶しかし、この猶予期間は2027・5・15に徒過しており、同日に甲乙債権の消滅時効が成立。Aの請求は認められないのが原則

1.3. 3、よって、Bは2027・7・2時点でその援用(145)をもって、A請求を拒むと考えられる

1.3.1. ⑴もっとも、AはBが甲乙債権を「承認」をしたから、時効が更新される(152条1項)と主張

1.3.1.1. ア、「権利の承認」

1.3.1.1.1. 消滅時効にあたっては、時効の利益を受ける者が権利の存在を権利者に対して表示することをいう

1.3.1.1.2. そして、Bは前記A催告に応じて2027・4・21にA銀行口座に100万円を振り込んでおり、これ一部弁済にあたる。

1.3.1.2. イ、したがって、同日より時効が更新され、新たに時効消滅期間が徒過する2032・4・21までは甲乙債権は時効消滅しない

1.3.2. ⑵したがって、2027・7・2時点でBはA請求を拒めない

1.4. 4、よって、残金400万円につき、A請求は認められる

2. 第2、小問⑵について、AのDに対する消費貸借契約(587)に基づく丙債権400万円返還請求の可否

2.1. 1、丙債権は有効に成立している

2.2. 2、これに対し、Dは丙の存在を認めつつ、その消滅時効(166)の成立を主張

2.2.1. ⑴丙債権の弁済期は2022・4・10

2.2.1.1. よって、その5年後2027・4・10に消滅時効が成立するのが原則(同1項1号)

2.2.2. ⑵もっとも、Aは「裁判上の請求」(147条1項1号)をし、さらに確定判決によって消滅時効は更新された(同2項)と主張

2.2.2.1. ア、本件では時効完成前の2026・6・10に丙債権不存在確認の訴えを提起している

2.2.2.2. イ、D敗訴の確定判決がでているので、Aの応訴は明らか。よって、「裁判上の請求」認められるので、その間は時効は完成しない(同1項)

2.2.2.3. ウ、そして、同年11・12の確定判決をもって丙債権消滅時効は更新され(同2項)、新たに時効消滅期間が徒過する2031・6・10までは丙債権は時効消滅しない

2.2.3. ⑶したがって、2027・5・5時点ではDはAの請求を拒めない

2.3. 3、よって、A請求は認められる