1. 第1、⑴の場合、Aの請求は認められるか
1.1. 1、A請求に対し、Cは本件貸付債権の時効消滅、それによるC補超債務の消滅を主張
1.1.1. ⑴主債務の時効完成は「五年」(166条1項1号)で時効完成しているように思える
1.1.1.1. ア、もっとも、主債務弁済期から三年後にCは元本・利息の支払いをAに約し遅延損害金の支払い免除を求めている
1.1.1.1.1. これは少なくとも自己の保証債務の存在を債権者Aに表示する行為であり「権利の承認」にあたり、この時点からB保証債務の事項は更新する(152条1項)
1.1.1.2. イ、では、これをもって本件貸付債権の消滅時効は更新するか
1.1.1.2.1. (ア)時効完成前の保証人の「権利の承認」(152条)によって、主債務の時効は更新するかが問題
1.1.1.2.2. (イ)保証契約と主債務の原因となる契約は別個であり、主債務者は前者の「当事者」に当たらないので、保証人の「権利の承認」の効力は主債務者に及ばない(153条3項)
1.1.1.2.3. よって、時効完成前の保証人の承認によって主債務の時効は更新しない
1.1.1.2.4. (ウ)したがって、本件貸付債権の消滅時効も更新しない
1.1.1.3. ウ、よって、現時点では主債務の消滅時効完成
1.1.2. ⑵そして、保証人Cは本件貸付債権の消滅時効の援用権者(145条括弧書き)
1.1.2.1. よって、その援用をもって、主債務たる本件貸付債務は時効消滅する
1.2. 2、よって、保証債務の主債務への付従性によって、C保証債務は消滅
1.2.1. A請求不可
2. 第2、⑵の場合、Aの請求は認められるか
2.1. 1、Cは第1同様、まず主債務たる本件貸付債権の時効消滅を主張
2.1.1. ⑴本件でも「五年」経過、消滅時効が完成している
2.1.2. ⑵よって、援用権者Cによる時効援用で本件貸付債権は消滅するように思える
2.1.2.1. ア、もっとも、Cは本件貸付債権の時効完成後の弁済期から七年後に50万円をAに支払い、また残元本の支払いを約して利息・遅延損害金債務の免除を求める回答をしている
2.1.2.1.1. これは保証債務の一部履行であり、少なくとも自己の保証債務の存在については認める自認l行為にあたる
2.1.2.2. イ、では、時効完成後に保証債務の自認をした保証人は主債務の消滅時効を援用できるか
2.1.2.2.1. (ア)保証債務については、債務自認した保証人は自認以降は消滅時効を援用することは信義則上(1条2項)許されない
2.1.2.2.2. もっとも、あくまで主債務と保証債務は別個である
2.1.2.2.3. そこで、保証人が保証債務のみならず主債務に関する時効利益を放棄する趣旨も含んでいない限りは自認行為は信義則に反すると言えず、保証人は主債務の消滅時効の援用権を失わないと考えるべきである
2.1.2.2.4. (イ)Cは主債務たる本件貸付債権の時効完成を知らなかった
2.1.2.2.5. (ウ)よって、援用可
2.1.2.3. ウ、よって、本件貸付債権はCの援用をもって消滅する