第31問 取消と登記
KYOU Kにより
1. 3、そこでYは「第三者」にあたるので、Xは登記なくしてYに前記所有権の復帰を対抗できないと反論(177)
1.1. ア、Xは取消による所有権復帰を取消後の第三者に主張するために登記を要すか
1.1.1. (対抗関係について)
1.1.1.1. (ア)意思表示が取り消されると、意思表示の相手方から表意者に対して復帰的物権変動が起こる。
1.1.1.2. さらに相手方から第三者に譲渡された場合においては、相手方を起点とする二重譲渡類似の関係が観念できる
1.1.1.3. よって、表意者と取消後の第三者は対抗関係に立つ。
1.1.2. (許容性)
1.1.2.1. また、表意者は取消後、即座に対抗要件を備えることは可能であるから登記懈怠の帰責性を認めてよい
1.1.3. したがって、取消後の第三者に復帰的物権変動を対抗するためには登記が必要
1.1.4. (イ)Xは登記を備えておらず、取消後の第三者に所有権の復帰を対抗できない
1.2. イ、よって、Yの反論は認められる
2. 4、よって、Yとの関係で①を充足しないので、X請求不可
3. 1、XのYに対する甲所有権(206)の基づく物権的妨害排除請求としての所有権移転登記抹消請求
3.1. ⑴①X所有②Y登記
3.1.1. ②は明らか
3.2. ⑵①が問題
3.2.1. YとしてはXB売買契約(555)で所有権が移転し、①が充足しないと主張する
4. 2、これに対し、XはXB契約は詐欺取消(96条1項)でき、遡及的に無効(121)となるから①は充足すると主張
4.1. ⑴詐欺取消(96条1項)の可否
4.1.1. ア、「詐欺」
4.1.1.1. (ア)欺罔行為
4.1.1.2. (イ)錯誤による意思表示
4.1.1.3. (ウ)欺罔行為と錯誤の因果関係
4.1.1.4. (エ)詐欺の故意
4.1.2. イ、可
4.2. ⑵Yは「第三者」(96条3項)と反論
4.2.1. ア、「第三者」(96条3項)
4.2.1.1. (ア)同条項趣旨は取消の遡及効に害されうる者を保護し、取引安全を守ること
4.2.1.2. よって、
4.2.1.2.1. 当事者及び包括承継人以外で
4.2.1.2.2. 詐欺による意思表示を前提に
4.2.1.2.3. 新たに
4.2.1.2.4. 独立した法的利害関係を有するに至った者
4.2.1.3. すなわち
4.2.1.3.1. 取消前の第三者
4.2.2. イ、(日付あてはめ)取消後の第三者であるYはこれにあたらない
4.2.2.1. 反論不可