第39問 共有物の管理
KYOU Kにより
1. 2、これに対しYは被相続人Aの意思に基づき、少なくとも一定期間はYは工房兼住居を無償利用できると反論
1.1. ⑴被相続人の死亡時同居人が住居等を従前と同じく一定期間継続できることは被相続人の通常の意思に合致する
1.1.1. よって、この場合はYの反論は認められるのが原則である
1.2. ⑵しかし、そもそもYは被相続人と死亡時同居しておらず、作品制作について激しく衝突して住居兼工房から出たことから考えると、Yの継続使用を積極的に認めていたとは言い難い
1.3. ⑶よって、本件ではYの継続使用が被相続人の意思に合致するとは言えない特段の事情があると言えるから、Xらは直ちに明渡を求めることができる
2. 1、XらのYに対する、工房兼住居の共有持分権に基づく物権的返還請求権としての工房兼住居明渡し請求権
2.1. ⑴XらはA死亡による相続(882、896本文)によって工房兼住居の4分の3の共有持分権者を有する(900条4号本文)に至った多数持分権者
2.2. ⑵共有持分権者は、その持分権に基づき、共有物を占有する他の共有持分権者に返還請求できるか
2.2.1. ア、各共有持分権者は当然に共有物を占有する権限を有さない
2.2.2. 一方で、各持分権者は共有物使用権がある(249)がある以上、その他持分権者も当然には占有持分権者に返還請求できるわけではない
2.2.3. そこで、一部持分権者の占有を認めない共有者間の協議の存在など、返還請求の理由を主張立証しない限り、かかる請求は認められない
2.3. ⑶そこで、Xらは共有物の管理に関する決定を持分多数決をもって決した(252本文)として、それを理由としてYに明渡し請求する
2.3.1. ア、なお、この場合も少数持分権者の持分割合に応じた使用利益を害することは多数持分権の濫用にあたる
2.3.2. イ、よって、その対価となるべき金銭の支払をすれば明渡し請求は原則として可能