第42問 占有と相続
KYOU Kにより

1. 1、DのEに対する、乙所有権(206条)に基づく物権的妨害排除請求としての所有権移転登記手続請求
1.1. 乙につき①D所有権②E所有権登記
1.1.1. ②は認められる
1.1.2. ①が問題
2. 2、Dは①について、元の所有者CからAへの贈与とAからDへの相続を主張
2.1. ⑴CA贈与とは言えず、使用貸借
2.2. ⑵また、Cから贈与を受けたとするEは「第三者」にあたるので、仮にCA贈与があったとしてもDは登記なくして対抗できない(177条)
2.3. ⑶いずれにせよ、Dはこれを原因とする所有権取得を主張できない
3. 3、Dは時効取得(162)を主張
3.1. ⑴まず、1988・9からのAによる占有を原因とする時効取得
3.1.1. ア、その他要件あり(186条1項)
3.1.2. イ、Eは「所有の意思をもって…占有」=自主占有したとの推定は破れると反論
3.1.2.1. (ア)所有の意思の判断基準
3.1.2.1.1. 占有取得原因(権原)によって、客観的・外形的に判断
3.1.2.2. (イ)前記の通り、使用貸借=他主占有。よって、推定は破れる
3.1.3. ウ、この主張は不可
3.2. ⑵そこで、1996・10・1からのD自身の占有による時効取得
3.2.1. ア、まず「承継」には相続による包括承継も含まれるので、「自己の占有のみ」を主張することは可能である(187)
3.2.2. イ、その他要件あり(186条1項)
3.2.2.1. では「所有の意思をもって…占有」?
3.2.2.1.1. DはAの死亡以降、主観的には自主占有として長期間占有している
3.2.3. ウ、そして、登記を確認していないので過失があり、2016・10・1に長期時効取得が成立する(162条1項)
3.2.3.1. そうすると、時効完成時の乙所有者EはDの時効取得につき当事者であるから「第三者」にあたらず、Eは登記なくともこれを対抗できる(177)