1. エビデンス・ベースト・マーケティングの世界では ブランディングとは「メンタル・アベイラビリティ (悩みを持ったときの商品の思い出しやすさ)を 上げること」と定義できる 行動的ブランドロイヤルティと消費者のブランド連想 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0148296311002608 差別化よりも独自性というのが正解である。 (独自性とは、お客さんが、他の商品に比べて、 あなたの商品への反応がどれくらい強いのか。 つまり、他の会社が何十社あろうが、他の商品が何百個あろうが、 お客さんがあなたの商品を必ず思い出してくれて、 優先的に買ってくれる状態)
2. ●1章 ブランディングの本当の意味
2.1. 0.興味付け
2.1.1. 運営元のRIZAPグループの瀬戸社長いわく、 (チョコザップは)「周りからは『うまくいくわけがない』とか、 『絶対に黒字化できない』と言われていた」。
2.1.2. しかし、実際にはとんでもない急上昇で、 チョコザップの成長はえげつない勢いである。 (下記の決算資料の図)
2.1.3. https://www.businessinsider.jp/post-273948
2.1.4. 「なんでこんなに急上昇できたんだろう?」って思いますよね。 それは結論から言うと、自己満のブランディングではなく、 売上が上がるブランディングをしたからです。
2.1.5. いきなりですが、質問です。 売上が上がらないブランディングと売上が上がるブランディング、 この2つの違いってわかりますか?
2.1.6. まず、売上が上がらないブランディングから解説しましょう。 簡単に言えば、自分の商品や会社のことを 周りからクールだとか美しいと思ってもらうだけの ブランディングです。 これでは、売上にはつながりません。 (詳しくはこの動画で後述します)
2.1.7. その反対が、売上が上がるブランディングです。 もちろん、この動画ではこれを紹介します。 つまり、実践すれば、売上や収入が今よりも上がります。 そして、それ以上に重要なこととして 今よりももっと多くのお客さんから感謝されるはずです。 「自分は世の中や社会に貢献しているんだ」 という自尊心や充実感や貢献感が得られると思います。 そういった「売上が上がるブランディング」を知りたいなら この動画を見ていただきたいと思います。 まさに、チョコザップが実践しているブランディングですね。
2.1.8. では、ここからが重要です。 「あなたは、売上が上がらないブランディングと、 売上が上がるブランディングの違い、わかりますか?」 これがわかると、チョコザップの急上昇の理由がわかるので、 その違いについてまず解説します。
2.1.9. ※なお、チョコザップを運営しているライザップのブランディングについては、 この動画では触れません。
2.2. 1.一般的にはこうですよね。
2.2.1. ブランディングの本当の意味、 定義をこう勘違いしている
2.2.1.1. ブランドの価値を高める
2.2.1.2. ロゴやブランドカラーを作る
2.2.1.3. 絞り込みや差別化をする
2.3. 2.でも、真実はこうなんです。
2.3.1. 売上が上がるブランディングとは、 多くの悩みと商品を紐づけること。 売上が上がらないブランディングは 悩みと商品が紐づいていないブランディング。
2.4. 3.その根拠や理由はこれです。
2.4.1. チョコザップの場合
2.4.1.1. 最近、2024年のチョコザップの 広告を見たことがありますか? 多くの悩みと、チョコザップという商品を 紐づけているんです。
2.4.1.2. 広告 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000121693.html
2.4.1.3. つまり、ゴルフをしたいときも、 マッサージチェアを使いたいときもチョコザップ あとは、デスクバイク、セルフホワイトニング、 セルフフォト、ウェルネス管理アプリ、セルフ脱毛、 ランドリー、ドリンクバー、セルフネイル、セルフエステ、 ピラティス、トレーニングマシン、カラオケなど これらをしたいときにチョコザップを選んで貰える
2.4.2. 1.ブランドの価値を高めるというと 抽象的だけど、具体的に言えば 買ってもらいやすくすること。 買ってもらえないブランドは、 ただの自己満ブランド。
2.4.2.1. (1)悩み→(2)引き出し→(3)サイコロ ※CEPの理論を説明する
2.4.2.2. 悩み
2.4.2.2.1. まず、多くの悩みと商品を紐づけると お客さんは買ってくれる
2.4.2.2.2. CEPの数の比較.png https://drive.google.com/file/d/15-jJITY4d3mJ9L_CGui_TP0fbJQiO5qe/view?usp=drive_link
2.4.2.2.3. ブランド属性 - 念頭に置いた「流通経路」 https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/1352726032000088896 ロマニウクの2003年の論文
2.4.2.3. 引き出し
2.4.2.3.1. 頭の引き出しの中にある選択肢のことを、 マーケティング用語では想起集合(Evoked Set)というので この用語を使っている人は、マーケティングをしっかり勉強している証拠
2.4.2.3.2. この引き出しの中にある選択肢の数は 業種や商品によっても異なるが、通常1〜3個である。 MarkeZineによる調査によれば、平均ブランド数は スポーツドリンクなら1.6個、アウトドア用品だと1.3個、 ビールやコンビニだと2.3個となっている。
2.4.2.4. サイコロ
2.4.2.4.1. ブランドの顕著性の概念化と測定 2004年の論文 https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1470593104047643 思い出す頻度と強さによってブランドが決まる
2.4.3. 「ブランディングのためには ブランド名に加えて、 ロゴやブランドカラー、音楽、 キャラクター、フォントなどを 覚えてもらうことが重要」 というのは間違い
2.4.3.1. 繰り返しになるが、 カテゴリーエントリーポイント(CEP:悩み)と 商品を紐づけることが重要
2.4.3.2. そもそも、CEPと結びついていない ロゴやブランドカラーや音楽やキャラクターやフォントなど、 お客さんからするとどうでもよい
2.4.3.3. たとえば、あなたは、JAL、日産自動車、シャープ、 三洋電機(SANYO)、そごうなどのロゴやブランドカラーは よく知っているだろう。 日本人なら誰もが知っている会社なのに、 売上が芳しくなくて、潰れてしまったり、 潰れる寸前まで追い込まれて買収されてしまったりした。 だから、ロゴやブランドカラー、音楽、キャラクター、 フォントなどは、ブランディングの本質ではない。 もし本質なら潰れていないはずだ。
2.4.3.4. もっというと、「チョコザップと言えば、痩せられる」 というような 「(商品名)と言えば、(悩み)を解決できる」 という記憶にはあまり意味がない
2.4.3.5. なぜなら、思い出すときには順番があり、 消費者がものを買うときには、 悩みがきっかけとなって思い出すから。 つまり、「(商品名)と言えば、(悩み)を解決できる」 という順序ではなく、 「(悩み)を解決できるのが、(商品名)」 という順序で思い出してもらう必要がある。
2.4.3.6. 「(商品名)と言えば、(悩み)を解決できる」 と思い出せる人でも 「(悩み)を解決できるのが、(商品名)」と 思い出せなければ商品を買ってもらえない
2.4.3.7. たとえば、チョコミントアイスは、 甘いものが食べたいという悩みを解決する商品ですよね? これは、商品から悩みを思い出しているだけです。 ここまではあなたも同意して貰えると思います。 では、あなたは悩みが出てきた時に、 チョコミントアイスという商品を思い出せますか? つまり、あなたに質問ですが、 「甘いものが食べたい」という悩みが出てきたときに その悩みを解決できる商品として チョコミントアイスは思い浮かびますか? 少なくとも私は思い浮かばないので(笑)、 私はチョコミントアイスを買わないでしょう。
2.4.3.8. 悩みが出てきたときに、その悩みをきっかけに、 あなたの商品を思い出してもらえないと、 仮にあなたの商品がよく知られていても売れないんです。 チョコミントアイスはよく知られている商品ですが、 あまり売れないのではないでしょうか?
2.4.3.9. 例えば、私の場合はこう思い出す。 甘いものが食べたいときには? プロテインバーを食べる
2.4.3.10. Ask Not What the Brand Can Evoke: Ask What Can Evoke the Brand? https://openurl.ebsco.com/EPDB%3Agcd%3A3%3A4120899/detailv2?sid=ebsco%3Aplink%3Ascholar&id=ebsco%3Agcd%3A9301106482&crl=c
2.4.4. 絞り込みや差別化をすると むしろ売上が下がる マーケティング用語では、 ニッチと言うこともある
2.4.4.1. 売上は商品と紐づいている悩みの数で決まるので、 特定の悩みと「だけ」商品を結びつけると 当然だけど売上は下がる
2.4.4.2. 差別化とは、トヨタが水陸両用車を発売するようなもの。 たしかに、他にはない車なので、差別化できている。 では、質問。あなたはトヨタの水陸両用車を買う? 買わないよね。差別化されていても、悩みがなければ買わない。
2.4.4.3. つまり、トヨタは差別化はできていないが、 独自性はある。悩みとして、リセールバリューを高くしたいとか、 燃費を良くしたいとか、なるべく故障しないでほしいとか、 そういったお客さんが求めている悩みと商品が紐づいて、 その積み重ねで、塵も積もれば山となるが大事。 トヨタ車は日産車やホンダ車よりも選ばれる確率が高くなっている。 これが独自性がある、ということ。ここを目指す。 独自性とは、お客さんのたくさんのお客さんの悩みと、 商品が強く紐づいている状態。
2.4.5. 以上が、チョコザップが 急成長した理由 (最初の質問の答え)
2.4.5.1. 日本のフィットネス参加率は3%程度とされており、 約20%の米国と比べるとまだ低い
2.4.5.2. RIZAP取締役chocoZAP事業責任者で、 自身もRIZAPでパーソナルトレーナーを 務めた経験のある村橋和樹氏いわく、 「現在、日本のフィットネス人口は総人口に対して3%と言われていて、 日本中のさまざまなジムの会社が小さなパイを取り合っている状態です。 ですが、そのパイを奪い合うだけの事業なら我々が参入する意味はない、 と私たちは思っていました。 それならジムに通っていない97%の層に向けたサービスを作ってみては、 と考えたのがきっかけですね。」
2.4.5.3. チョコザップは97%の飽和していないところを狙った
2.5. 4.真実に気づいていない 仮想敵や情弱の嘲笑
2.5.1. メディアに出ることやインフルエンサーに 紹介してもらうことがブランディングでもない
2.5.2. とにかく目立つこと、 とにかく知ってもらうことがブランディングでもない
2.5.3. クールな理念や、美しいキャッチコピーを作ること、 でもない
2.5.4. 豪華なオフィスを構えることでもない
2.5.5. 豪華なブランド品や、豪華な食事や 豪華な旅行、豪華なマイカーなどを SNSで発信すること、でもない
2.5.6. こんなことをしても、売上が上がらない。 しいて言えば、光に集まる蛾のように、 自己肯定感が低い奴らが集まってくるだけ。
2.5.7. お客さんは、自分の悩みを解決するために 自分の命の次に大切なお金を使っているに過ぎない、 という点を見逃している。
2.6. 4.5.具体的にあなたは どうすればいいの?
2.6.1. この動画で4ステップで伝えていくので、 このまま動画を見てほしい
2.6.2. EまたはEのお客さんの事例
2.7. 5.ここまでを少しまとめますと……
2.7.1. ※0のクイズの答えを発表
3. ●2章 ステップ1. ライトユーザーやノンユーザーの 悩みと文脈を理解する
3.1. 0.興味付け
3.1.1. あなたは、チョコザップの男女比がどれくらいか、知っていますか?
3.1.2. エニタイムは75:25。ゴールドジムはおそらく70:30。 カーブスのような女性向けのジムなら男女比は0:100だが、 そうでなければ、基本的には男性が多いのが普通である。 なのに、チョコザップは公式の発表によると48:52で女性が多い。
3.1.3. Q.チョコザップはなぜ、女性のほうが多いのか、その理由は? その秘密を、この章で解説する。
3.2. 1.一般的にはこうですよね。
3.2.1. とくに、コンサルタントやマーケターは、 ヘビーユーザーを集客したほうがいいと言っている。 客単価が高いから、ヘビーユーザーに向けて ブランディングしたほうがいいと言っている。
3.3. 2.でも、真実はこうなんです。
3.3.1. でも、真実は、ライトユーザーや ノンユーザーを取り込むことによって ビジネスは成長する。 なので、ライトユーザーやノンユーザーの、 悩みや文脈をまず理解することが重要。
3.4. 3.その根拠や理由はこれです。
3.4.1. チョコザップの事例
3.4.1.1. RIZAP取締役chocoZAP事業責任者で、 自身もRIZAPでパーソナルトレーナーを 務めた経験のある村橋和樹氏によると、 パーソナルジムの門戸をたたく利用者の “その後”にヒントがあったという。 「利用者の大半は普段ジムを訪れない初心者です。 プログラム修了後に競合他社の 24時間フィットネスサービスを契約し、 トレーニングを継続するケースが散見しました」 そこで思いついたのが、ヘビーな筋肉トレーニングを している愛好家は相手にせず、 初心者御用達の24時間ジムを大量出店してしまう というアイデアだった。
3.4.1.2. さらに、ライトユーザーやノンユーザーの声を聞いたら 価格が安いだけではライトユーザーやノンユーザーが お客さんになってくれなかった
3.4.1.3. chocoZAP事業責任者の村橋和樹さん曰く、 トレーニングマシンだけを置いていたときは利用者がほぼ男性客で。 女性の方にもっと来ていただくために、セルフエステを導入しました。 その後にセルフ脱毛もテストで入れてみたところ、 その店舗で女性比率がグッと上がった。 チョコザップの女性比率が多いのはこれが理由。
3.4.1.4. チョコザップの場合の客層
3.4.1.4.1. チョコザップにおいて、 ヘビーユーザーとは筋トレガチ勢。 たとえば、ダイエットトレーニングや ボディメイクを現在もしている人。
3.4.1.4.2. ライトユーザーとはダイエットトレーニングや ボディメイクを過去にしていた人
3.4.1.4.3. ノンユーザーは脱毛とかセルフエステ、 ゴルフをしたい人
3.4.2. USJの事例
3.4.2.1. USJは「映画のテーマパーク」でブランディングしたら ヘビーユーザーしか集客できず、事実上の経営破綻をした
3.4.2.2. 「世界最高のエンターテイメントを 集めたセレクトショップ」として、 映画のライトユーザーやノンユーザーを 集客したことがUSJ再生のポイントだった
3.4.2.3. マーケティングとは、顧客数を増やすことが重要。 だから、差別化することで潜在顧客数を減らすのは悪手。
3.4.3. 「ヘビーユーザーに向けて ブランディングをする」と むしろ売上は下がる
3.4.3.1. ヘビーユーザーだけでは十分なパイを 確保できない。チョコザップの場合は3%
3.4.3.2. さらに、ヘビーユーザーは翌年以降に、 ライトユーザーに変わる。(平均への回帰) 逆に言えば、ライトユーザーを集客しておけば、 いつかはヘビーユーザーに変わる。
3.4.3.3. 真実は、(ライトユーザーやノンユーザーを含む) 市場全体の中で 自社の認知&好感度を高めることが重要
3.4.4. エビデンスを紹介する
3.4.4.1. 直感に反しているかもしれないが、 ヘビーユーザーの購入金額を上げることはむずかしい 逆に、ノンユーザーやライトユーザーの 購入金額を上げるほうが簡単 Predicting future purchases with the Poisson log-normal model https://link.springer.com/article/10.1007/s11002-013-9254-1
3.5. 4.真実に気づいていない 仮想敵や情弱の嘲笑
3.5.1. ライトユーザーやノンユーザーの 悩みと文脈を理解することが大切である、 と言っているブランディングの本を 私は見たことがない
3.5.1.1. いかに売上が上がらないブランディングが 世の中に多いか、あなたもわかったと思う
3.5.2. ブランドとは、「(その商品)らしさ」であり、 それをHPや広告や店舗などに落とし込むのが ブランディングであると言っている人は視点が低い。
3.5.2.1. ブランドとは、ライトユーザーや ノンユーザーが商品を買うことで 悩みが解決できそうという感覚のこと
3.5.3. ブランディングでは、 ペルソナにフォーカスすることが重要、 というのは間違い
3.5.3.1. ペルソナ(人)はどうでもよく、 その人の悩みにフォーカスする
3.5.4. ましてや「商品や会社に対して、 まるで人のように人格を持たせる」 と言っている経営者や ブランディングコンサルタントがいるが これは典型的な間違い
3.5.4.1. 実際に、消費者にテストをしてみると 商品や会社に対して人格を感じている人はいなかった。 商品や会社は、あくまで商品や会社にすぎない。
3.5.4.2. 「商品や会社に人格を持たせたい」というのは 根拠のない薄っぺらい思い込みに基づいた、 売上が上がらないブランディング。
3.5.4.3. ブランド・アイデンティティといって、 「ブランドに対して持ってほしいイメージ (たとえば、「温かい」など)を考えろ」 と言っている情弱マーケターもいるが噴飯もの
3.5.4.4. 重要なのは、ライトユーザーやノンユーザーの カテゴリーエントリーポイント(CEP:悩み)と 商品を紐づけること
3.6. 4.5.具体的にあなたは どうすればいいの?
3.6.1. 変なお客さん、変な使い方をしようとしているお客さんが あなたのライトユーザーやノンユーザー
3.6.2. たとえば、カウンセラーの場合には、 ヘビーユーザーは心に傷を持つ人。 ライトユーザーは過去にカウンセリングを受けていた人。 ノンユーザーは人見知りとか自分に自信がない人。
3.6.3. EまたはEのお客さんの事例
3.6.3.1. お金の心理学はノンユーザー (まだ起業家ではない人)も 対象にして年1億円売れ続けた
3.7. 5.ここまでを少しまとめますと……
3.7.1. ※0のクイズの答えを発表
4. 3章 ステップ2. 悩みを解決できる商品を作る
4.1. 0.興味付け
4.1.1. あなたは、チョコザップを、ブランドスタートの時点から 格安の無人トレーニングジムだったと 「勘違い」していませんか? この勘違いをしたままだと、チョコザップの成功の理由を理解できません。 RIZAPグループの決算会説明資料において、 チョコザップが初めて登場したのは2022年9月8日です。 そのときの、中期経営計画書のPDFの中で、 チョコザップは格安の無人トレーニングジムではなく、 登場時点から「コンビニジム」と名乗っていることがわかります。 ここにポイントがあります。(P61) https://ssl4.eir-parts.net/doc/2928/ir_material_for_fiscal_ym/124224/00.pdf
4.1.2. 「新しく登場したチョコザップというサービスは、 格安の無人トレーニングジムです」と謳ったほうが はるかに、わかりやすいはずです。 それなに、なぜあえて最初から「コンビニジム」と 名乗ったのか、その理由はわかりますか?
4.1.3. ここに、チョコザップのブランディングのポイントがあります。
4.2. 1.一般的にはこうですよね。
4.2.1. アップルのiPhoneのような クールな商品を作るとか、 美しい商品を作るとか、 それがブランディングだと思っている
4.2.2. あるいは、クールで美しい商品だと お客さんに好きになってもらいやすいので、 最終的に買ってもらえる、 みたいに勘違いしている人も多い
4.3. 2.でも、真実はこうなんです。
4.3.1. 悩みを持ったライトユーザーやノンユーザーにとって、 「商品を買ってみようかな」、「試してみようかな」と 思ってもらえるような商品にする
4.3.2. ライトユーザーやノンユーザーがちょっと聞いただけで、 「ほしい!」と感じて買ってくれるような 商品にすることが重要である。
4.4. 3.その根拠や理由はこれです。
4.4.1. チョコザップの場合
4.4.1.1. 価格
4.4.1.1.1. これまでフィットネスジムといえば、 総合型が月額1万円以上、安い24時間ジムでも月額7000円くらいの 価格設定が一般的でした。 ユーザーの頭の中でも、そういう価格が 形成されていたと思います。 そこで当社は、損益のバランスを考えるというよりも、 まずは日本中の人々が「チョコザップに行かなければ損だ」 と感じる価格まで下げてみようというチャレンジをしました。
4.4.1.2. 利便性
4.4.1.2.1. 靴を脱がずに、服を着替えずに運動できる
4.4.1.2.2. 24H使える
4.4.1.3. 内装
4.4.1.3.1. ライザップ 取締役 chocoZAP事業責任者の村橋和樹いわく、 初心者の方でも入りやすいように壁紙やインテリア、そしてマシンも すべて白基調にして、明るい雰囲気をつくるようにしています。 外から店舗内をのぞいたときに、明るいイメージの中で普段着の人たちが 気軽にトレーニングをしていると、「私でも入れそう」と思う初心者の方も 多くいらっしゃるのではないかと考えています。
4.4.1.4. 内容
4.4.1.4.1. ヘビーユーザーは筋肉を鍛えたいから 筋トレなどの無酸素運動をしようとする。 ライトユーザーは運動した感がほしいので 有酸素運動をしようとする (トレッドミルやランニングマシンを利用する)。
4.4.1.4.2. ノンユーザーはそもそも運動さえしたくないので、 セルフエステ、セルフ脱毛、ゴルフなど トレーニングマシン以外が必要だった
4.4.1.4.3. ノンユーザーにとって わかりやすい名前として「コンビニジム」 と命名した。(これがクイズの答え)
4.4.1.4.4. 格安の無人トレーニングジムだと、 せいぜいヘビーユーザーとライトユーザーしか 反応しなかったと思われる
4.4.1.5. チョコザップは防犯用AIカメラのデータから マシンが使われている頻度などを確認し、 頻度が高いマシンだけを残した。
4.4.1.6. 瀬戸社長いわく、 「運動の初心者や未経験者などのライト層に焦点を当て、 会費の安さに加えて、生活圏内にありアクセスが容易、 24時間利用可能、着替えが不要といった利便性を追求し、 気軽に運動する機会を提供してきました。 このアプローチが、顧客に受け入れられた 最大の要因であると考えています。」
4.4.2. ローソンの事例
4.4.2.1. 売上が上がらない商品で失敗した事例
4.4.2.2. ローソンは食料品のパッケージを クールで美しいデザインに変えて大失敗した https://biz-journal.jp/company/post_173975.html
4.4.2.3. いいか! ブランディングにおいて商品を クールで美しくしようとするのは悪である!
4.4.2.4. ローソンの食料品の場合、 コンビニに来るお客さんの悩みや文脈 (=食欲を満たしたい)に対して ダイレクトに本能に刺さるデザインがベスト
4.4.2.5. なぜ、このブランディングはダメだったのか? ローソンの商品のパッケージを見たお客さんは 「クールだな」とか「美しいな」とは感じるものの その食料品を買いたいとは感じないから。 「クールだ」とか「美しい」と感じさせる必要があるのは、 成金向けに虚栄心アイテムのブランディングのときだけ。 例:高級な腕時計、ファッション、バッグ、ジュエリー、 車、家、リゾート、ホテル、ゴルフ会員権、レストラン、 ワイン、シャンパン、インテリア、ヨット、ヘリ、クルーザー プライベートジェット、アート…… こういった高級な虚栄心アイテムは、 いわゆる成金が自分の虚栄心を満たすために クールさや美しさがものを言う。 美しい羽根を持つオスの孔雀はメスからモテるように、 美しい虚栄心アイテムを持つ男性は女性からモテるから。
4.4.2.6. 情弱な経営者やマーケターは、 こういった虚栄心アイテムのブランディングと その他のブランディングの方法をごっちゃにしている 繰り返しになるが、クールさや美しさが重要なのは あくまで成金向けの虚栄心アイテムのときだけ。 つまり、成金向けの虚栄心アイテムではない場合、 クールさや美しさを出したらむしろ売れない!
4.4.2.7. ローソンはあまりにも不満が多かった結果、 今は食料品のパッケージを元のデザインに戻した
4.4.2.8. 事実、ローソンの食料品は売れなかった。 食料品を買うお客さんの悩みは 食欲を満たすことであって、虚栄心ではないから。
4.4.3. お客さんに商品を買って貰う際に、 商品を好きになってもらう必要はない!
4.4.3.1. エビデンスがない、古いブランディング理論だと 「情報を見る→商品を好きになる→ 商品を買う」 という流れだと信じられてきた。 しかし、これを証明するエビデンスはなく、 順序が違うことが判明した。 「情報を見る→とりあえず商品を買ってみる →(商品を使って満足したから)好きになる」 というのが実際の流れだったことがわかった
4.4.3.2. つまり、買う前の段階では、 人は商品を好きにならない。 (人は商品に対して、他の人間に対して感じるような愛着は 持たないことがわかってきた) ただし、例外があって、商品を買う前の段階でも 人は売っている人のことを好きになることはある。
4.4.3.3. つまり、アイドルなどであれば 「まず自分を好きになってもらって、それから買ってもらう」 という流れがあてはまる なぜなら、アイドル自身が商品だから。
4.4.3.4. 言い換えると、「情報を見る→好きになる →商品を買う」が当てはまる「珍しい」ケースは、 アイドルのような極めて属人的な商品を、 広告塔として本人自らがSNSなどで露出して売る場合のみ。
4.4.3.5. つまり、ライトユーザーやノンユーザーが 好きになってもらっていなくても、 とりあえず買ってもらえる商品を作ることが重要。 そのためには、画像やキャッチコピーや広告などを ライトユーザーやノンユーザーがパッと目にした際に 「欲しい!」とビクンと反応してもらえる商品がベスト。
4.5. 4.真実に気づいていない 仮想敵や情弱の嘲笑
4.5.1. チョコザップは低価格戦略だから成功した、 と言っている情弱もいる
4.5.1.1. バカを言うな、バカを!
4.5.2. 低価格戦略は戦略ではない! なぜなら、低価格では 利益が出ないから。 重要なのは、低コスト戦略。
4.5.2.1. チョコザップの 低コストの秘密
4.5.2.1.1. 売上に占める経費の割合
4.5.2.2. 人件費が安い
4.5.2.2.1. 受付も人がおらず、 アプリのQRコードをかざす
4.5.2.2.2. 人の代わりにアプリが マシンなどの使い方を教えてくれる
4.5.2.2.3. アプリで、トレーナーによる エクササイズ動画の閲覧などが可能
4.5.2.3. 出店費用が安い
4.5.2.3.1. サウナやプールがない、 ごく普通のスポーツジムでさえ作るのに 1億弱の出店費用がかかる (水回りにお金がかかる)
4.5.2.3.2. チョコザップの場合、トイレしかない
4.5.2.3.3. これにより退去費用も少なくなる
4.5.2.4. 水光熱費が安い
4.5.2.4.1. 普通のスポーツジムの場合、 シャワーを使うので水道代とガス代がかかる
4.5.2.4.2. チョコザップの場合、トイレで使う水道代くらい
4.5.2.5. トレーニング器具や マシンが安い
4.5.2.5.1. 大量出店により割引で安くなった
4.6. 4.5.具体的にあなたは どうすればいいの?
4.6.1. 「じゃあ、どうすれば私は商品が作れるの?」 と思うかもしれないが、 実際のお客さんからFBをもらうのが早い
4.6.1.1. 現物、モックアップ、プロトタイプを見せる
4.6.1.2. アンケートを取る
4.6.2. ヘビーユーザー、ライトユーザー、ノンユーザーで 信頼関係ができている人にそれぞれ聞く
4.6.3. Eまたは Eのお客さんの事例
4.6.3.1. アンケート
4.6.3.1.1. 今回のセミナーに5点満点で 点数をつけるとしたら何点ですか?
4.6.3.1.2. セミナーの中でもっとも印象に 残ったことを1つ教えてください。
4.6.3.1.3. セミナーの中で良かった点や 続けたほうがいいことは何ですか?
4.6.3.1.4. 欲を言えば、セミナーで 改善してほしいことを教えてください。
4.6.3.1.5. セミナーの中で新しく始めたほうがいいと 思うことはなんですか?
4.6.3.1.6. 他にも何かご意見やご要望などがあれば、ご記入ください。
4.6.4. 商品名で商標をとる
4.6.4.1. 他の会社にマネされないようにする
4.7. 5.ここまでを少しまとめますと……
4.7.1. ※0のクイズの答えを発表
5. 4章 ステップ3. ノンユーザーやライトユーザーを 集客する
5.1. 0.興味付け
5.1.1. チョコザップの出店ペースがすごい背景として 集客もすごいことを知っていますか?
5.1.2. チョコザップはオープンしてから、チラシやWeb広告、 ランディングページを大量に制作しました。 その数はチラシ560種類以上、バナー広告8,600種類以上、 ランディングページ260種類以上にのぼります。
5.1.3. Q.なぜそこまで大量に制作したか、わかりますか? チョコザップの集客の秘密を、この章で解説します。
5.2. 1.一般的にはこうですよね。
5.2.1. 「ブランディングでは、 一貫して同じメッセージを 発信し続けることが重要」
5.3. 2.でも、真実はこうなんです。
5.3.1. 真実は、色々な悩みと商品を紐づけるために、 色々な悩みや文脈についてのメッセージを 出すことが重要(つまり、一貫性は必要ない)
5.4. 3.その根拠や理由はこれです。
5.4.1. チョコザップの場合
5.4.1.1. チョコザップはいろいろな広告を打っている
5.4.1.2. コンビニジムの中のいろいろな切り口や、 ライトユーザー向けのメッセージを広告にしている
5.4.1.3. マーケティング本部長・鈴木隆之氏曰く、 「トレーニングマシンを使った運動は週2回、 5分間だけでも継続すれば効果が出ますし、 体重や体脂肪率を減らさずとも、 キープできるだけでも健康的といえます。 体の変化より、継続に対するフィードバックで 動機づけをしていきたいです」
5.4.1.4. ヘビーユーザーに響く広告文: 体を変化させませんか? ライトユーザーに響く広告文: 健康維持しませんか? ノンユーザーに響く広告文: 脱毛しませんか?
5.4.1.5. フィットネスセンターに新規で通い始めた5,240人のうち、 1年継続した人は3.9%しかいない。 ヨガやストレッチのを含んだ数値で、 筋トレだけなら0.3%しかいない。 (体の変化を目指すのは、ほぼ挫折する)
5.4.1.6. ちなみに、定期的に発生する悩みを 定期的に解決すると、 人は定期的にお金を払うので「セルフ脱毛」は良いアイデア
5.4.2. マクドナルドの場合
5.4.2.1. マクドナルドは色々な悩みと 商品を紐づけるために、 メッセージに一貫性がないCMを打っている
5.4.3. エビデンスを紹介する
5.4.3.1. なるべく多くのライトユーザーや ノンユーザーにリーチする。 リーチとはつまり、広告を見て貰うこと。 そのためには、適当に広告を打つだけではダメ。 マルチメディア環境でリーチを達成する https://www.journalofadvertisingresearch.com/content/53/2/221.short
5.5. 4.真実に気づいていない 仮想敵や情弱の嘲笑
5.5.1. 広告宣伝をしなくても、 ブランドはできる、みたいな 勘違いをしている情弱がいる あるいは、ブランドができれば 広告宣伝のコストを押さえられる みたいな勘違いも散見する
5.5.1.1. 真実は、広告宣伝をしまくることで、 ブランド(つまり、CEPと商品の紐付け)を 維持できる、というのが残酷な真実
5.5.1.2. 日清は、カップヌードルのブランドを維持するために、 50年間もCMを打ち続けていて、 だからカップ麺の売上1位をキープしている
5.5.1.3. マイナーな商品であればあるほど 広告を打たなくなったときの 売上減少幅は大きい
5.5.1.4. つまり、広告宣伝コストを抑えたら、 ブランディングは崩れていく。 だから、広告宣伝コストを抑えてはいけない
5.5.1.5. もし広告を打たない場合、 YouTubeなどのSNSや、メディア出演を 相当にうまくやらないといけない
5.5.1.6. ブランド認知に対する広告効果の評価:事前知識の組み込み https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/147078530604800206 2006 romaniuk nicholls 広告の効果は一時的。なぜなら、人は忘れる生き物だから。
5.5.1.7. ブランドはどこにあるのか? 答えはお客さんの頭の中にある。
5.6. 4.5.具体的にあなたは どうすればいいの?
5.6.1. ヘビーユーザー、ライトユーザー、ノンユーザーに ヒアリングをする
5.6.2. いろいろな人にヒアリングして出てきたことを、 ヒアリングして出てきたメディアで情報発信する。 または、そこに広告を打つ。
5.6.3. Eまたは Eのお客さんの事例
5.6.3.1. ※ヒアリング項目として、 「マーケティング 完全版」で紹介したものを ここで紹介する。 ついでに「マーケティング 完全版」の 動画を紹介する。 https://docs.google.com/document/d/1ACMrq1Tg28CybqigXWi8EcRkP4zv7ajP386lmJMr6kI/edit
5.6.3.2. 目的は? いつ使う? どこで使う? 誰と一緒に使う? 何と一緒に使う?
5.6.3.3. 普段、何を見ているか?
5.7. 5.ここまでを少しまとめますと……
5.7.1. ※0のクイズの答えを発表
6. 5章 ステップ4. お客さんの受け皿を 強化する
6.1. 0.興味付け
6.1.1. チョコザップはブランドスタートから、 1日2店舗以上のペースで出店してきた。 多い日には、9店舗を出店した日もあるという。 Q.なぜ、そこまでして出店しないといけないのか? チョコザップの出店の秘密を、この章で解説します。
6.2. 1.一般的にはこうですよね。
6.2.1. 「ブランドができたら、それで終わり」 「あとは、ブランドを維持するだけ」 とブランディングコンサルタントは思っている
6.3. 2.でも、真実はこうなんです。
6.3.1. いくらブランドのことを 思い出してもらったとしても、 お客さんの受け皿を強化しないと 売上は上がらない場合がある
6.3.2. チョコザップの場合の受け皿とは、 オフラインの店舗のこと。
6.3.3. これは、ブランディングという枠を超えて、 マーケティングの話に少し踏み込むが、 超重要なのでこの動画で触れておきたい
6.4. 3.その根拠や理由はこれです。
6.4.1. チョコザップの場合
6.4.1.1. チョコザップのブランドスタート時は、 なんと関西からもチョコザップに 通っていたヘビーユーザーがいたらしい。すごいw
6.4.1.2. これじゃダメだ、もっと受け皿を大きくしなきゃ、 瀬戸社長は感じた。 そこで、チョコザップは大量に広告を打ちながら、 大量出店をして、お客さんの受け皿を作ることにした。
6.4.1.3. 瀬戸社長いわく、 「チョコザップ会員の割合は、自宅から1Km圏内が60%以上、 2Km圏内だと85%以上になります。 商圏が非常に限られているため、 複数の店舗を展開することで顧客の幅を広げることが必要です。」
6.4.1.4. 瀬戸社長いわく、 「たとえば、通信販売は出店場所と売り上げの 関連性があまりないし、飲食店は自分にとって 特別な場所であれば駅をまたいで遠方に行く人もいるでしょう。 しかし、運動は日々の習慣ですから、 施設利用者の通いやすさが大きく影響します。 そのため、ジムはいかに自宅から近いか、 どれだけ多くの店舗を生活圏に出せるかが大きなポイントです。 出店への集中投資はそのために必要不可欠でした。」
6.4.1.5. いくらチョコザップが有名になっても、普通の人は 近くに店舗がなければ会員になろうとしない。 その証拠が私で、家から最寄りのチョコザップは ちょっと離れている。 さらに、私の普段の行動範囲の外なので、 チョコザップの会員になりたい気持ちはあるが、 私はまだ会員になっていない
6.4.1.6. これが章の最初のクイズの答え
6.4.2. フィジカル・ アベイラビリティを高める
6.4.2.1. フィジカル・アベイラビリティとは マーケティング用語で「物理的な買い易さ」。 たとえば、オフラインのビジネスなら 店舗の数やロケーション、在庫、取扱店舗、 駐車場の数、店舗内の動線、販売スタッフ、 看板、営業時間や定休日などのこと。 オンラインのビジネスなら GoogleやSNSなどですぐに見つかるか、 Amazonや楽天などで購入できるか、 通販サイトから簡単に購入できるか、 ページの読み込み速度が速いか、 カスタマーサポートがあるか、などのこと。
6.4.2.2. オンラインでもオフラインでも共通なのは、 現金だけでなくカードやQRコード決済などの 複数の決済方法が使えるほうがよい。
6.4.2.3. いくらメンタル・アベイラビリティ (=ブランディング)ができていても、 フィジカル・アベイラビリティが弱いと お客さんは買いたくても買えない。
6.4.3. エビデンスを紹介
6.5. 4.真実に気づいていない 仮想敵や情弱の嘲笑
6.5.1. そもそも、フィジカル・アベイラビリティという マーケティング用語を知らないマーケターや ブランディングコンサルタントがいる。 そういう奴は、売上が上がらないブランディングしか知らない。
6.6. 4.5.具体的にあなたは どうすればいいの?
6.6.1. オフライン
6.6.1.1. 店舗を増やす以外でも、 駐車場広告、看板(A形看板など)、 照明、のぼりなどで目立たせられる。 業種や店舗のロケーションによって変わる。
6.6.2. オンライン
6.6.2.1. 自分や商品や会社の名前などは 最低限、アドワーズなどに広告に出すことで 検索してすぐに見つかる状況を作れる
6.6.2.2. 公式HPをつくる。 ※しかし、飲食業などで公式HPは不要。 少なくとも、売り込みしてくるような HP作成業者にお願いをしてはいけない。
6.6.3. Eまたは Eのお客さんの事例
6.6.3.1. オンライン
6.6.3.1.1. ブログ、SNSなどを、E公式HPをハブにして、 リンクし合うようにした。
6.6.3.1.2. 理由は、ライトユーザーやノンユーザーほど ニーズが強くないので、即決しないから。 つまり、一通り回遊してから買う。
6.6.3.2. オフライン
6.6.3.2.1. 本を本屋さんだけでなく、 コンビニでも置いてもらった
6.6.3.2.2. 本屋は1万店舗しかないが、コンビニは セブンイレブンだけで2万店舗もあるから
6.7. 5.ここまでを少しまとめますと……
6.7.1. ※0のクイズの答えを発表
7. 6章 強いブランディングのその先へ
7.1. 0.興味付け
7.1.1. ここまで順調に成長してきたチョコザップ。 では、ここで質問です。 Q.チョコザップの未来はどうなると思いますか? エビデンス・ベースト・マーケティングの点から 予想できるチョコザップの未来をお伝えします。
7.2. 1.一般的にはこうですよね。
7.2.1. ブランディングをして、 さらに受け皿を広げた後、 そもそも一般人は次にやることが 思いつかない人が多い。
7.3. 2.でも、真実はこうなんです。 & 3.その根拠や理由はこれです。
7.3.1. 上記のステップ1〜4を 何度も繰り返す
7.3.1.1. チョコザップは、セルフネイルやホワイトニング、 カラオケ、洗濯機&乾燥機、ピラティスなど、 さらに裾野を広げた。
7.3.1.2. 瀬戸社長いわく、 「コンビニのように、新しい商品があれば提案しています。 その一例が、2023年9月に発表した「セルフホワイトニング」 「セルフネイル」「マッサージチェア」など6種類のサービスです。 新サービスを導入する際には、必ずテストを行い、 反響の変化や既存店舗との比較を行います。 利用者数や継続率にどれだけ影響を与えるかを含め、 すべてのデータを収集し、導入するかどうかを判断しています。 そうした結果、現在のような店舗形態になっているのです。」
7.3.1.3. そして、新しい商品を広告に使って、 今まで反応しなかったライトユーザーや ノンユーザーを集客しようとしている
7.3.2. 既存のお客さんからは 嫌われないようにする
7.3.2.1. ブランディングの観点からすると、 既存のお客さんを失うのは悪手。
7.3.2.2. 嫌われやすいタイミング
7.3.2.2.1. ブランド拡張をするとき。 つまり、新しいライトユーザーや ノンユーザーを集客しようとしたとき。
7.3.2.2.2. 商品を大幅にリニューアルするとき
7.3.2.2.3. 値上げをするとき。 ※これは説明は割愛。 過去に撮った別の動画を見てほしい。
7.3.2.3. ベンツ
7.3.2.3.1. ベンツは「成功者の車」でなく、 ライトユーザーやノンユーザーを獲得するため、 「成功するための車」とブランド拡張を行った
7.3.2.3.2. ベンツは実際の値段以上に高いと お客さんからは思われていた。 「ベンツって1,000万でしょ。 うちには無理無理、縁がないよ」と。 そこで、ベンツのセールスパーソンが値段を話すと、 「えっ、ベンツのAクラスって300万円なの?」 「えっ、このセダン、400万円で買えるの?」 と驚いて、興味をもってくれるようになった
7.3.2.3.3. メルセデス・ベンツの新車販売台最高記録を 2年連続更新した歴代初の日本人社長である 上野金太郎さんの戦略
7.3.2.3.4. 成功者の車は上位のクラスで、 成功するための車は最も安いAクラスで、 クラスが違うので既存のお客さんは離れなかった
7.3.2.4. 商品をリニューアルするとき
7.3.2.4.1. ニューヨーク事件
7.3.3. CEP(悩みと商品の紐付け)を 常に最新のものにする
7.3.3.1. 既存のCEPが時代遅れになる場合があるので それに注意する。
7.3.3.2. 新しい最先端の食事法や運動法が出てきたら、 チョコザップは陳腐化するかもしれない。 たとえば、運動することで痩せるのではなく、 運動することでメンタル改善をする、 というのが主流派になるかもしれない。
7.3.3.3. イェール大学のラリッツァ ・ゲオルギエバ教授らの研究 1,237,194人を対象に5年間の実験 https://www.thelancet.com/journals/lanpsy/article/PIIS2215-0366(18)30227-X/abstract 1日30〜60分の運動を週に3〜5回行うのがメンタルの改善にはベスト まったく運動してない人に比べて、運動をしてる人はメンタルが落ち込む日数が43.2%下がる 広告のメッセージを「運動して体を鍛えよう」から、 「運動してメンタルを鍛えよう」に変える必要があるかもしれない。 なぜなら、全ての価値観は、科学に近づいていくから。
7.3.4. 看板やパッケージを変更しない (典型的な売上が上がらないブランディング!)
7.3.4.1. トロピカーナはパッケージを変えて 選ばれなくなった。 (そのため、すぐに元のパッケージに戻した)
7.4. 4.真実に気づいていない 仮想敵や情弱の嘲笑
7.4.1. 「ブランディングによって 顧客のロイヤリティが上がる」 というのはよくある間違い
7.4.1.1. 真実は、多くのライトユーザーや ノンユーザーを獲得した結果、 ファンが増えただけ
7.4.1.2. つまり、一定割合で ライトユーザーやノンユーザーの 顧客ロイヤリティが上がって ファン客になっただけにすぎない
7.4.1.3. 情弱マーケターは、客数が増えてファン客になったことを ブランディングによってファン客が増えたと 勘違いしているのでは?
7.4.1.4. 少なくとも、ロイヤリティが上がったことが原因で 客数が増えるというエビデンスは存在しない
7.4.1.5. アップルやハーレー・ダビッドソンの顧客は ブランディングによって顧客ロイヤリティが 高いと言われていたが、実際は同業他社と同レベルであった
7.4.1.6. 顧客ロイヤリティだけを あげることは難しい。 そのため、顧客数を増やして 一緒に顧客ロイヤリティを 上げることで一石二鳥になる
7.4.2. 「ブランディングできたら、 価格競争に陥らない」 というのは間違い
7.4.2.1. 正確に言うと、以下の3ステップ 1.ブランディングをすることで、 多くのカテゴリーエントリーポイント(CEP:悩み)と 商品が紐づく ↓ 2.顧客数が増える ↓ 3.価格弾力性が下がる =少し値段を上げても、売れるようになる
7.4.2.2. つまり、価格競争に陥るかどうかは 顧客数によって決まるというのが正しい。 顧客数を上げれば、客単価も自然に上がる。
7.4.2.3. ブランディングを始めたばかりで、 顧客数がまだ増えていなければ、 価格競争に陥ってしまう
7.4.3. 売上が上がらないブランディングしか教えていない人は このあたりのエビデンスを説明できないはず
7.5. 4.5.具体的にあなたは どうすればいいの?
7.5.1. 上記のステップ1〜4を 何度も繰り返してほしい
7.5.1.1. チョコザップはそれしかしていない
7.5.2. とりあえず、チャンネル登録して、 この動画を繰り返し見てほしい
7.5.2.1. 少なくとも10年の時代の風化には 耐えられる内容の動画だから。
7.5.2.2. マーケティングの世界には 勉強不足の詭弁家が多いから、 変な洗脳を受けないようにするため。
7.6. 5.ここまでを少しまとめますと……
7.6.1. ※0のクイズの答えを発表
8. エンディング
8.1. ブランディングというのは、時間をかけて、 じっくりと行っていくプロセス
8.2. じゃあ、具体的にどうやって売上を作っていくのか? という短期的な話はこの動画ではしていない
8.3. どうやってセールスするの? 広告文をとうやって書くの? そういった悩みを解決するための7つのプレゼントがある
8.4. それがこちらです。(LINE登録特典へ誘導)
9. ボツなアイデア (=動画では使わない)
9.1. 商品名からカテゴリの想起は ブランディングではない。 カテゴリから商品名の想起が ブランディング。
9.1.1. 「なんか、少し痩せたいな……」と悩んだときに、 「そうだ、チョコザップに行こう!」 と思い出してもらえることがブランディング
9.1.2. カテゴリから商品名の想起、たとえば 「スポーツジムといったらチョコザップ」 というのはブランディング。 なんか、少し痩せたいな(悩み) ↓ スポーツジムに行こう(カテゴリ) ↓ チョコザップがいいな(商品名)
9.1.3. 「チョコザップといえば、 無人の格安スポーツジム」と 商品名からカテゴリを想起するのは、 売上が上がらないブランディング。
9.1.4. 仮に、ガリガリで痩せる必要がない人がいたとして、 あ、チョコザップの看板だ(商品名) ↓ チョコザップはスポーツジムだよね(カテゴリ) ↓ なんか、少し痩せたいな(悩み) という順序では人は商品を買わないから 商品名からカテゴリの想起は意味がない。
9.2. 自社内のカニバリゼーション (共食い:自社の新商品が、 自社の他の商品を売上を食ってしまうこと) を許容すること
9.3. 既存の商品との導線を作る
9.3.1. 実際、データによると、今年1月には、 ライザップの新規入会者のうち7.8%がチョコザップの経験者でした。 https://www.esquire.com/jp/menshealth/fitness/a46980453/dol-rizap-is-challenging-itself-to-break-through-the-limits-by-making-chocozap-profitable/
9.3.2. ライザップのプロテインを買って貰う
9.4. じゃあ、ZARAやスタバはどうなんだ! ZARAやスタバは広告宣伝にコストを 全然かけてないけどブランドじゃないか、 みたいに反論する知ったかぶりもいる (とくに、売上が上がらないブランディングを 教えているコンサルタントなどは)
9.4.1. ああいったお店は、おしゃれな店舗そのものを 広告宣伝として見て、同業他社以上に大きな コストをかけている。 なぜなら、ZARAやスタバがお客さんに 提供している価値は「おしゃれ」だから。
9.4.2. ZARAの店舗は大都市圏の駅前におしゃれな店舗があり、 ここにコストをかけている。 これは、ZARAの元ゼネラル・マネジャーである ヘスス・ベガ氏が来日時に言っていた。
9.4.3. スタバはリージョナル ランドマークストアを 50店舗に1店舗くらいの割合で作る。 このおしゃれな店舗にコストをかけている。
9.4.4. これは、スターバックスコーヒー ジャパンの元代表取締役だった 岩田松雄さんが言っていたので間違いない。
9.5. 意味がないことが ブランディング、 というのは間違い
9.5.1. たしかに、フェラーリやルイ・ヴィトンは 機能の面でトヨタやユニクロに劣っているし、 一見すると意味があるようには見えない。 しかし、残酷な真実として、だからこそ意味がある。
9.5.2. これは進化心理学ではシグナリングと言って、 孔雀が派手な羽根になっているのと同じ機序。
9.5.3. 大きくて、派手で、長い羽根を持っている 孔雀のオスほどメスにモテる。 なぜなら、「生存にとって、こんなに不利な ものを持っていても、俺は生存できるんだ」 というシグナルをメスに発することができるから
9.5.4. つまり、フェラーリやルイ・ヴィトンは ただ高価で、機能面で劣っていて、意味がないからこそ シグナリングになっている
9.5.5. もしシグナリングという価値さえもないなら、 フェラーリやルイ・ヴィトンが売れることはない。 だからこそ、ルイ・ヴィトンには「必ず」ロゴが入っている。
9.5.6. ルイ・ヴィトンでは、ロゴが入っていない 完全に無地の白いTシャツなどは全然売れない。 なぜなら、無地だとシグナリングできないから。