
1. 第4章:お客様を深く理解する「質問力」
1.1. まとめ
1.1.1. ズレに対するガッカリのうち、「質問してくれない」営業に対するお客さまの不満は、大きく2つに集約される。
1.1.1.1. トップは「お客さまの会社が求めていることや目指している方向性」、
1.1.1.2. 次が「お客さまの会社が困っている課題や悩んでいること」に対するヒアリング不足。
1.1.2. 多くの営業パーソンは、お客さまのお悩みや課題を断片的な個人レベルでヒアリングしたところで止めており、会社レベルでのお悩みや課題まで届かないまま、提案を出してしまっている。
1.1.3. 接戦状況では、品定め気味で警戒心の強いお客さまから、デリケートな事情や核心を聞き出すことが求められる。 質問力として、基本レベルでは「土台作り」「切り込む〝聞く〟」「深掘りする〝聴く〟」「具体化する〝訊く〟」の4つを押さえておく。
1.1.4. お客さまから発せられる理想と現状のギャップに対して、課題の重要性を確認できてから、自社の提案をぶつけられるようになると、質問力も応用レベル。 ここで登場するのが課題解決質問。「現状把握の質問」「深掘り質問」「気づかせ質問」「つなぎ質問」を、スムーズな流れにのって展開していくと、お客さまと営業担当者の双方が望んでいる方向に話が進む。
1.2. 詳細
1.2.1. ・「質問してくれない」営業に対するお客様の不満
1.2.1.1. ズレに対するガッカリのうち、「質問してくれない」営業に対するお客さまの不満は、大きく2つに集約される。 トップは「お客さまの会社が求めていることや目指している方向性」、 次が「お客さまの会社が困っている課題や悩んでいること」に対するヒアリング不足。
1.2.2. ・「質問力」を活用した商談の進め方(基本)
1.2.2.1. 0️⃣ まずは会話のキャッチボールで土台を作る
1.2.2.1.1. アイスブレイクのポイント
1.2.2.2. 1️⃣切り込む「聞く」でヒアリングに入る
1.2.2.2.1. こちらからあれこれ聞いていく前に、「この営業担当者は、きちんと話が通じるな」と思っていただくことが重要
1.2.2.2.2. そこでポイントになるのが「お客さまへの回答」
1.2.2.2.3. こちらから質問をする前に、「きちんと話が通じる相手」だと思っていただけた方が、ヒアリングもスムーズに進む
1.2.2.2.4. まずは質問してもらい、「どんな意図でご質問いただいたのか」を確認して、的確な「質問の回答」をお返し
1.2.2.2.5. 切り込むのが怖い場合は、
1.2.2.3. 2️⃣沈黙を恐れず、大事なことを深掘りして「聴く」
1.2.2.3.1. ピラミッド構造を意識
1.2.2.4. 3️⃣具体化する「訊く」で仮説検証やピンポイントの確認
1.2.2.4.1. 特定質問
1.2.3. ・「質問力」を活用した商談の進め方(応用)
1.2.3.1. ゴール
1.2.3.1.1. あまり話をしてくれない顧客から、顧客の課題を共に解決していくパートナーと思ってもらう
1.2.3.2. ベースにあるのはSPIN話法
1.2.3.2.1. 鍵となる情報が、(営業ではなく)お客さま自身が発した台詞から出てくる情報
1.2.3.3. 1️⃣現状把握質問
1.2.3.3.1. ❌ よくある失敗
1.2.3.3.2. ポイント
1.2.3.4. 2️⃣深堀り質問で信頼と期待の醸成
1.2.3.4.1. ❌よくある失敗
1.2.3.4.2. ポイント
1.2.3.5. 3️⃣気づかせ質問でパートナー関係構築
1.2.3.5.1. ❌よくある失敗
1.2.3.5.2. ポイント
1.2.3.6. 4️⃣つなぐ質問で自社提案へブリッジ
1.2.3.6.1. よくある失敗
1.2.3.6.2. ポイント
2. 第5章:お客様に必要とされるための「価値訴求力」
2.1. まとめ
2.2. 詳細
2.2.1. ・価値訴求力がなぜ必要か
2.2.1.1. point
2.2.2. ・価値の感じ方は人それぞれ
2.2.3. ・価値訴求の種類を四象限に分けて考える
2.2.4. ・価値訴求の一歩目は、「労務提供」「適量コミュニケーション」から
2.2.4.1. point
2.2.5. ・「好感」「共感」のレベルを高める
2.2.6. ・情報提供や人の紹介は「5つのC」で考える
2.2.7. ・満たされていないお客様の優先課題に「プラスα」「提言」を
2.2.7.1. point
2.2.8. ・価値訴求力をどうレベルアップさせていくか
3. 第6章:お客様の意思決定を助ける「提案ロジック構築力」
3.1. まとめ
3.2. 詳細
3.2.1. ・提案内容の「ズレ」にはどんなものがあるか
3.2.2. ・提案書における「ズレ」が発生する原因
3.2.3. ・「提案ロジック構築力」を活用した商談の進め方(基本)
3.2.4. ・「要件整理」でお客様の課題と自社の提案方針を見える化
3.2.5. ・要件整理をもとにした質問から、重要な気づきが起こる
3.2.6. ・「要件整理」のさらに先が必要になるとき
3.2.7. ・「提案ロジック構築力」を活用した商談の進め方(応用)
3.2.8. ・認知的不協和を「お客様が当社を選ぶ理由」で解消する
3.2.9. ・対立ロジックから「お客様が当社を選ぶ理由」を作る
3.2.10. ・他にも良い商品・サービスはあるのになぜ当社か─対・競合
3.2.11. ・先延ばしにしてもいいのに、なぜ今なのか?─対・保留
3.2.12. ・外注せずに内部でやる選択もあるのになぜ当社か─内製
3.2.13. ・上流で活躍するのは「要件整理」、下流が「対立ロジック」
4. 第7章:お客様と共に段取りを進める「提案行動力」
4.1. まとめ
4.2. 詳細
4.2.1. ・提案行動力とは何か
4.2.2. ・提案行動力は何によって左右されるか
4.2.3. ・「提案行動力」を活用した商談(コンペ型)の進め方
4.2.4. ・コンペ案件で、お客様にとって決め手になるもの
4.2.5. ・コンペで選ばれる提案書とは
4.2.6. ・プレゼンはクロージングからの逆算方式で考える
4.2.7. ・「提案行動力」を活用した商談(稟議型)の進め方
4.2.8. ・お客様は提案書を社内稟議でどう説明しているか
4.2.9. ・稟議型案件におけるクロージング
4.2.10. ・稟議型案件で怖い「なしのつぶて状態」をどうするか
4.2.11. ・お客様とのズレを解消する「4つの力」が備わった状態
5. 第8章「:ルート型」「アカウント型」で4つの力を発揮する
5.1. まとめ
5.2. 詳細
5.2.1. ・営業モデルをリストの数で2つに分類する
5.2.2. ・「ルート型」「アカウント型」それぞれの特徴
5.2.3. ・勝ちパターンは営業モデルごとに異なる
5.2.4. ・ルート型のハイパフォーマーとは
5.2.5. ・アカウント型のハイパフォーマーとは
5.2.6. ・ルート型・アカウント型によって「4つの力」の回し方が変わる
6. 第1章:営業とお客様の「ズレ」は、情報ギャップから生まれる
6.1. まとめ
6.1.1. お客さまの選定基準としては「とにかく他よりも金額が安い」ことよりも「費用対効果への納得感」の方が重要だが、その事実を正直に伝えてくれるわけではない。
6.1.2. お客さまの信頼を獲得するために求められるのは、お客さまにとって「わかってくれる」営業であること。
6.1.3. お客さまと営業の間には大きな情報ギャップが存在し、それが「ズレ」につながるので、情報ギャップを埋めるコミュニケーションが、お客さまの理解や信頼獲得につながる
6.2. 詳細
6.2.1. ・我が家にやってきた勝率8割の営業パーソン
6.2.2. ・「お客様は価格で決める」は本当か?
6.2.3. ・「価格、高いですね」の裏側で起こっていること
6.2.4. ・6人に1人の「アタリの営業」とは?
6.2.4.1. 6人に5人は「ハズレの営業」
6.2.5. ・営業とお客様の「ズレ」は、情報ギャップから生まれる
6.2.6. ・「ズレ」を解消できないとお客様の不満につながる
7. 第2章:情報ギャップを乗り越えて接戦を制する「3つの質問」
7.1. まとめ
7.1.1. お客さまと営業の間にある情報ギャップを乗り越えて、受注を増やしていくための第一歩は、案件や商談を「楽勝」「接戦」「惨敗」で分けること。
7.1.2. 情報ギャップの解消が特に求められる接戦に注力し、「いざ接戦になったときの強さ」を上げていくと、結果として楽に勝てる案件の幅が広がり、利益率も上がる。
7.1.3. 接戦には「他社と迷う」「保留するか迷う」「内製するか迷う」の3パターンがあり、接戦に強くなるためには、お客さまが何と何で迷っているのかを捉えた上で、アクションを見極めることが必要。
7.1.4. 「接戦状況を問う質問」「決定の場面を問う質問」「裏にある背景を問う質問」という3つの質問を使いこなすことで、接戦において適切なアクションが取れるようになっていく
7.2. 詳細
7.2.1. ・案件や商談を「楽勝」「接戦」「惨敗」で分ける
7.2.1.1. 「楽勝」
7.2.1.1.1. 楽勝案件は、経験の少ない新人営業でも受注がいただけます。発生確率としては高くありませんが、いわゆる、「ラッキー」な案件です。
7.2.1.2. 「接戦」
7.2.1.2.1. 接戦案件は、やり方次第で、受注にも失注にもなるような案件です。 どちらに転ぶかわからないコンペ、相見積もり提案、あるいは、競合がいなくとも、稟議(りんぎ)が通るかどうかぎりぎりわからないような商談が、この「接戦」に当たります。
7.2.1.2.2. やり方次第では受注がいただけますが、やり方を間違えると他社に案件を持っていかれたり、社内の稟議が通らなかったりします。営業としての手腕が問われるのが、接戦案件です。
7.2.1.3. 「惨敗」
7.2.1.3.1. 誰が営業に行っても受注が難しいことは見えており、勝負にもならないような難易度の高い案件です。
7.2.1.4. 「楽勝」「惨敗」は誰が営業しても、結果は大差ない
7.2.2. ・「いざ接戦になったときの強さ」が営業力を左右する
7.2.2.1. 誰しも「楽勝」で戦いたいが、「楽勝」の絶対が少なくなったときに立ち行かなくなる
7.2.2.2. 「接戦」での受注率が大事になる
7.2.2.3. 「接戦」での受注率を高めるには、お客さまとの間に生じるギャップを解消し、「わかってくれている」と感じていただく営業が必要
7.2.3. ・接戦は3パターンに分かれる
7.2.3.1. 接戦とは、お客さまが「発注するか、しないか」を迷っている案件
7.2.3.2. 何に迷っているか、が分からないと対策できない
7.2.3.3. 接戦のパターン
7.2.3.3.1. 1️⃣
7.2.3.3.2. 2️⃣
7.2.3.3.3. 3️⃣
7.2.4. ・接戦では「認知的不協和の打破」が必要
7.2.4.1. 例
7.2.4.1.1. 痩せなければいけない
7.2.4.1.2. でも食べたい
7.2.4.1.3. 結果、「ダイエットは明日から」
7.2.4.2. 認知的不協和は「情報が追加されることで、結論が変わる」という性質
7.2.4.2.1. 痩せなければいけない
7.2.4.2.2. でも食べたい
7.2.4.2.3. 健康診断の結果が悪かった
7.2.4.2.4. 結果、「我慢して食べない」
7.2.4.3. 接戦で強くなるには、お客さまの認知的不協和状態に対して、 「どんな情報を追加すると決めていただけるのか」の勝ちパターンを広げていく必要がある
7.2.5. ・接戦を安易に落としてはいけない
7.2.5.1. 敗因を分析し、接戦をものにするための行動を粘り強く実践していくことが重要
7.2.5.2. 必ず毎回、「それは、もう100%決定ですか」と聞き返す
7.2.5.3. 今まではわからなかったお客さまの事情や背景が明らかになり、「情報ギャップ」を解消するコツがつかめてくる
7.2.6. ・「接戦を制する3つの質問」で情報ギャップを解消する
7.2.6.1. 「これ以上聞いたら怒られる」ラインは手前に引いてしまいがち
7.2.6.2. 1️⃣接戦状況を問う質問
7.2.6.2.1. 図
7.2.6.3. 2️⃣決定場面を問う質問
7.2.6.3.1. 図
7.2.6.4. 3️⃣裏にある背景を問う質問
7.2.6.4.1. 図
7.2.6.5. ・「接戦を制する3つの質問」の位置づけ
7.2.7. ・「これ以上聞いたら怒られる」ラインは手前に引いてしまいがち
8. 第3章:お客様とのズレを解消する「4つの力」
8.1. まとめ
8.1.1. 「接戦を制する3つの質問」を中心にPDCAを回すことで、「お客さまは営業をどう選ぶか」に詳しくなり、勝ちパターンも広がる。
8.1.2. 決定場面を追いかけていくと、商談が自分の想像と違う場面で決着していると気づくことが多い。 そこには「上流で決めている営業」と「戦う前に負けている営業」とが存在する
8.1.3. お客さまは、自分がよく知らない営業に対して「負の予測」で接するので、「上流で決めている営業」になるためには、 〝ズレた営業〟とみなされる地雷を踏まないこと、そして〝お客さまをわかってくれる営業〟が備えるスキルを強化することが必要
8.1.4. お客さまをわかってくれる営業〟が備えるスキルは「質問力」「価値訴求力」「提案ロジック構築力」「提案行動力」の4つ。 「接戦を制するための3つの質問」というのは、「質問力」の一部。
8.2. 詳細
8.2.1. ・仮に断られても、必ず「100%決定ですか?」と質問する
8.2.1.1. メリット
8.2.1.1.1. 一つ目は、再提案が仮にだめでも、受注した競合他社に対する満足度が高くないと、すぐに当社へお客様からお声がかかること。
8.2.1.1.2. 二つ目は、再提案までしてそれでもだめだった場合、一定割合のお客様は、別の案件を依頼してくださること。
8.2.1.1.3. 三つ目は、仮に再チャレンジで受注した際に、きちんとした仕事をしていれば、お客様は「とんなにも熱意があって、仕事の品質もきっちりしている営業は手放したくない」と大きな信頼を寄せてくださり、それ以降は、他社がアプローチをかけてきても断ってくださるようになることです。
8.2.2. ・ほとんどの商談は、自分の想像と違う場面で決着している
8.2.2.1. 商談の決着場面
8.2.2.1.1. サービスを実際に見て、見積もりを見る【前に】決定していることも多い
8.2.2.1.2. 決定が後ろに行く=営業コスト増える
8.2.3. ・「上流で決めている営業」と「戦う前に負けている営業」
8.2.3.1. ハイパフォーマーほど上流で決着
8.2.4. ・最凶のライバルは、過去の「ガッカリ営業」である
8.2.4.1. 6人に5人は「ハズレ営業」
8.2.4.1.1. その経験から、営業に対して無意識的に拒否的な反応を獲ってしまう
8.2.4.1.2. ハズレの営業担当者をうっかり上司に会わせてしまい、「俺は忙しいんだ。あんなのは、お前のところで処理しておけ!」と叱られたお客さまが、「同じ目には遭いたくない」と思って、皆さんからの上司への面会依頼を断っている可能性があるのです。
8.2.5. ・「ズレ」にがっかりするお客様の不満は四つに集約される
8.2.5.1. :one: 営業担当者として要件のヒアリングが不十分、情報の把握ができていない。 →お客さまを理解するための「質問力」が不足している。
8.2.5.2. :two: 営業担当者としての魅力や価値を感じない、また会いたいと思わない。 →お客さまに必要とされる「価値訴求力」が不足している。
8.2.5.3. :three: 顧客(あなた)の意図に沿わない提案を出してくる。 →お客さまの意思決定を助け、稟議を通せる「提案ロジック構築力」が不足している。
8.2.5.4. :four: 営業担当者としての動きが悪い。 →お客さまとともに段取りを進める「提案行動力」が不足している。
8.2.6. ・お客様とのズレを解消する「4つの力」
8.2.6.1. 質問力
8.2.6.1.1. お客さまとの間にある情報ギャップを埋め、お客さまに「わかってくれる」と感じさせるようなヒアリングをするのが「質問力」です。
8.2.6.1.2. 「接戦を制するための3つの質問」は、「質問力」の一部
8.2.6.1.3. 質問ばかりしていてもうまく進まないこともある
8.2.6.2. 価値訴求力
8.2.6.2.1. 質問した相手に「答えようかな」と思っていただけるような価値を提供する
8.2.6.2.2. 質問力向上 -> 価値訴求力向上
8.2.6.3. 提案ロジック力
8.2.6.3.1. 「質問力と価値訴求力」のサイクルをぐるぐる回して、関係を深めたお客さまからいただいた情報をもとに、受注まで持っていける提案を組み立てる力
8.2.6.3.2. 提案ロジック構築力があると、
8.2.6.4. 提案行動力
8.2.6.4.1. 一連の動きを実行するにあたり、「忙しくて時間が限られている」というのがネックになるので、お客さまとともに段取りをスムーズに進めていく力
8.2.6.4.2. 一つひとつの動作にかかる時間が短く済むようになり、お客さまの社内で稟議がなかなか通らないといった「壁」に突き当たったときに取るアクションが適切になる