1. 1.気になるチェック項目
1.1. ●読んでいるうちに勝手な読み方をする。
1.2. ●ノート一杯に漢字練習をするのに,ちっとも点数が取れない。
1.3. ●文章題になると面倒くさがってやらない。
1.4. ●できないのは算数だけ。やればできるはずだけれど,やらない。
1.5. ●体育がある日は登校を渋る。
1.6. ●何度注意しても宿題をやってこない。
1.7. ●余計なことを言って授業のじゃまをする。
1.8. ●話したばかりのことを質問してくる。
1.9. ●いつも1番でないとふてくされる。
1.10. ●けんかの原因が思い出せない。
1.11. ●頼み事をすると,幾つかは忘れてしまう。
1.12. ●気が利かない。言われた通りにしかやらない。
1.13. ●融通が利かない。頑固でわがまま。
1.14. ●一人でぶつぶつ言っていることがある。
1.15. ●漢字や計算は得意なのに,グループ学習になると話し合いに参加しない。
2. 2.実態把握と考察
2.1. 行動の観察
2.2. 保護者の願い
2.2.1. 現在の願いや,将来の見通し
2.3. 生育歴・家庭環境
2.3.1. 胎児期
2.3.2. 乳幼児期の様子
2.3.3. 家族構成
2.3.4. 家族の関係
2.3.5. 虐待の有 無
2.4. 諸検査の結果・医学的所見
2.5. 日常生活の姿
2.5.1. コミュニケーション
2.5.2. 対人関係
2.5.3. 教科
2.5.3.1. 算数の単純計算?
2.5.3.1.1. 速い
2.5.3.1.2. 遅い
2.5.3.2. 文章理解には抵抗が?
2.5.3.2.1. ある
2.5.3.2.2. ない
2.5.3.3. 音読は?
2.5.3.3.1. 上手
2.5.3.3.2. 苦手
2.5.4. 行動
2.6. 総合的な考察
2.6.1. 生まれつきのものか、取り巻く環境のためか
2.6.2. 長所や自信がもてそうなこと
2.7. 支援の方向
2.7.1. 学習・生活場面で活躍できそうなこと
2.7.2. 学校としての具体的対応方法
3. 日常生活動作=Activities of Daily Life
3.1. 1)生活基礎動作(基本的動作)
3.1.1. 生後一年までの間に身につける動作。基本動作とも言う。
3.1.2. ①姿勢保持
3.1.2.1. 寝た姿勢から頭を上げて保持する・座る・立つ
3.1.3. ②姿勢変換
3.1.3.1. 寝返り・起き上がり・立ちあがり
3.1.4. ③移動
3.1.4.1. 腹ばい・四つ這い・歩行
3.1.5. ④四肢の粗大運動
3.1.5.1. 特に、うでの曲げ伸ばし、握る、放すといった動作
3.2. 2) 身辺処理動作(応用動作)
3.2.1. 生活基礎動作を基に、組み合わせたり連続して行ったりする動作。
3.2.2. 基本的動作に対して応用動作とも言われ、毎日の生活に不可欠な、身の回りのことに関する一切の動作を指す。日常習慣的に行っていて就学年齢に達するまでに大半が身につく。
3.3. 3) 生活関連動作(技能的動作)
3.3.1. 基本的動作、応用動作に対して技能的動作ともいう。
3.3.2. 外出、スポーツなどの趣味を楽しむために不可欠な動作を含んだ、毎日必ず行うとは限らないが生活上必要な動作。
3.3.3. 生活基礎動作の組み合わせや連続によって行う。成人後も訓練を要する。
3.4. その他のトレーニング内容(主なもの)
3.4.1. 日常生活行動について→身体の動かし方や手の使い方、基本的生活習慣の確立、
3.4.2. ・身体意識(ボディ・イメージ)形成
3.4.3. ・身体接触や声かけでの関わりで人と関わることの喜びを知り、情緒の安定を図る
3.5. 主な留意点
3.5.1. ・個人の心身の障害・実態に即した課題の選択、用具の工夫
3.5.2. ・個人の実態に即した援助方法の工夫
3.5.3. ・個人の実態に即した条件の整備→補聴器・机・装具などで効果を高める
3.6. < 引用参考文献 >
3.6.1. 千葉県情報教育センターホームページ―肢体不自由理解
3.6.1.1. http://www1.ice.or.jp/ tokuse/shougai/shougai5.html
3.6.2. 愛知県総合教育センターホームページ―肢体不自由病弱児の体育指導
3.6.2.1. http://www.apec.aichi-c.ed.jp/shoko/tokushu/shougai/sitaibyou1.htm
3.6.3. 佐賀県教育センターホームページ―養護・訓練
3.6.3.1. http://www.saga-ed.go.jp/school/kinryu-sfh/youran/detaw.html
4. 読み・書き・計算の学習レディネス
4.1. 運動技能
4.1.1. 粗大運動技能
4.1.1.1. 歩く、走る、跳ぶ、捕える、投げるなど、肩や肘に関係した関節や大きな筋肉を動かす能力
4.1.1.2. 歩く、走る、回転する、はう、跳ぶ、スキップ、おどる、捕える、投げるなど、運粗大運動肩・ ひじなどに関係した関節や大きな筋肉を動かす能力
4.1.2. 巧緻運動技能
4.1.2.1. なぞり書き、色を塗る、ちぎるなど、指や手首に関係した関節や小さな筋肉を動かす能力
4.1.2.2. なぞり書く、色を塗る、ちぎる、ハサミを使って切るなど、手首・指などに関係した関節や小 さな筋肉を動かす能力
4.1.3. 目と手の協応
4.1.3.1. 合一的な目的のために目と手を同時に使う能力(図形や文字をなぞったり、書いたりする能力)
4.1.3.2. 目の動く方向に手を、あるいは、手の動く方向に目を動かせるなど、目と手を同時に使って図 形や文字をなぞったり、書いたりする能力
4.1.3.3. 各種スイッチ(押しスイッチ、レバースイッチ、スライドスイッ チ、フレキシブルスイッチ、ひもスイッチ 等) 玉入れ(プットイン)、棒入れ、リング抜き、洗濯バサミ、ひも 通し、ひも結び、ボタン教材 等
4.2. 視知覚技能
4.2.1. 形の知覚
4.2.1.1. 事物の輪郭や色合いの違いによって、それぞれの形の細かい差異に気付く能力
4.2.2. 図と地の知覚(Figure-Ground)
4.2.2.1. 様々な視覚刺激の中から、特定の線・図形・文字を選び出す能力
4.2.2.2. 自分に必要な視覚的情報が「図」で、「図」を取り巻くが情報が「地」となります。
4.2.2.3. 日常でも、たとえば本の文字列から要となる言葉をつかみだすといった時にも必要な能力です。
4.2.2.4. 図と地の分化では自分にとって必要な視覚的情報だけを合理的に浮き出させて取り出す判別能力が求められます。
4.2.3. 形の恒常性の知覚
4.2.3.1. 形の大きさ・方向・色などが変化しても、その違いに惑わされずに、同じ形として見る能力
4.2.4. 空間の位置の知覚
4.2.4.1. 一つの事物の上下・前後・左右・内外などを把握し、判 断する能力
4.2.5. 空間関係の知覚
4.2.5.1. 二つ以上の事物の相互の位置関係や、自分との位置関係を把握する能力
4.2.6. 全体-部分関係の知覚・視覚閉合(Visual Closure)
4.2.6.1. 部分的にしか見えないものから、全体像を想像する能力が問われます。断片的な手がかりから全体の様子を描く力です。
4.2.6.2. 事物の全体をなしている部分の特徴や部分の特徴から全体を把握し、判断するという相互関係を理解する能力
4.2.6.3. 視覚的な情報ばかりでなく、文や、人の言葉など、さまざまな場面での理解力にも影響します。
4.2.7. 連続性の知覚
4.2.7.1. 視覚的な刺激の変化を、意味のある連続したものとして理解する能力
4.2.8. てすと
4.2.8.1. ・視覚的識別(Visual Discrimination)
4.2.8.1.1. 図の特徴を見極め、相違点を見極める能力が問われます。学習では基本となる能力です。この能力に乏しいと、文字の特徴をとらえることがうまくできず、漢字をおぼえたり書いたりすること、また図形で苦労することもあります。
4.2.8.2. ・視覚的記憶(Visual Memory)
4.2.8.2.1. 目から入った情報の短期的な記憶力が問われます。視覚的な情報が短時間のうちにある程度正確にイメージとして残らないと、身の回りで起こる出来事や状況をうまく関係づけられず、作業をしていても誤解やつまらないミスにつながりやすくなります。
4.2.8.3. ・連続図形の記憶(Visual Sequential Memory)
4.2.8.3.1. 単一図形ではなく複数の図形の並びの記憶力が問われます。イメージ力もさることながら、対象に関してその構成を把握する能力やカテゴリー化の能力が求められます。
4.2.8.4. ・視覚的空間関係(Visual spatial Relationship)
4.2.8.4.1. 空間の認識力が問われます。上下左右の感覚は自分のからだからくる感覚を元に培ってきたものです。この感覚が未発達であると、字を覚えにくかったり、鏡文字を書いたりということが起きることがあります。
4.3. 聴知覚技能
4.3.1. 図と地の知覚
4.3.1.1. 聴覚刺激の中から、特定の音や音声を選び出す能力
4.3.2. 位置の知覚
4.3.2.1. 音や音声を認知し、その場所や位置を判断する能力
4.3.3. 聴覚的記銘
4.3.3.1. 音や音声を覚え、再生する能力
4.3.4. 聴覚弁別
4.3.4.1. 音や音声の違いを把握し、判断する能力
4.3.5. 連続性の知覚
4.3.5.1. 聴覚的な刺激の変化を、意味のある連続したものとして理解する能力
4.4. 触知覚技能
4.4.1. 事物を手などで触ったりして 事物の形や特徴を把握し判断する能力(視知覚技能の発達に大切)
4.5. 基礎的な概念形成の技能
4.5.1. 連合
4.5.1.1. 二つ以上の事物やシンボルの間の関連に気付き、結び付ける能力(手袋と手、クレヨンと鉛筆、茶碗と箸、量と数字など)
4.5.2. 一般化
4.5.2.1. 二つ以上の事物やシンボルの間の類似性に基づき、類に分ける能力
5. K-ABC ケーエービーシー 心理・教育 アセスメントバッテリー
6. チェックリスト(LD・ADHD・高機能自閉症等に関するもの)(PDF:688KB)
7. LD
7.1. Ⅱ 心理的な安定 (1) 情緒の安定に関すること
7.1.1. 具体的な状況
7.1.1.1. ・ 学習において努力をして も期待したほどの成果が 得られなかった経験か ら、生活全体において自 信を失い、失敗に対して 感情的になり、情緒が不 安定になる。
7.1.2. 指導内容と留意点
7.1.2.1. ・ 本人が得意なことを生かして課題をやり遂げ るように指導し、成功したことを褒めること で自信を持たせたり、自分のよさに気付くこ とができるよ うにした りする。
7.2. (3) 障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する意欲に関すること
7.2.1. 具体的な状況
7.2.1.1. ・ 計算の仕方を覚えること が他の人と比較して時間 がかかることなどに気付 いても、それを自分の努 力不足によるものと思い 込んでいる。
7.2.2. 指導内容と留意点
7.2.2.1. ・自 分 の 得 意 な 面 と 不 得 意 な 面 を 知 り 、 得 意 な面 を 活 用 す る こ と で 困 難 を 克 服 で き る こ と を経験させるよ うにする 。 ・成 功 体 験 や そ れ を 賞 賛 さ れ る 経 験 な ど を 積 み重 ね 、 自 分 に 自 信 を も て る よ う に し 、 不 得意なことにも積極的に立ち向かう意欲を育てる。
7.3. (4) 集団への参加の基礎に関すること
7.3.1. 具体的な状況
7.3.1.1. ・ 友 達 と の 会 話 の 背 景 や 経 過 を 類 推 す る こ と が 難 し く 、 集 団 に 積 極 的 に 参 加 できない。
7.3.2. 指導内容と留意点
7.3.2.1. ・ 日常的によく使われる友達同士の言い回しや分からないときの尋ね方などを、あらかじめ少 人 数 の 集 団 の 中 で 学 習 し て お く よ う に する。
7.4. Ⅳ 環境の把握
7.4.1. (2) 感覚や認知の特性への対応に関すること
7.4.1.1. 具体的な状況
7.4.1.1.1. ・ 言 葉 の 記 憶 力 が 弱 か っ た り 、 話 し 声 か ら 特 定 の 音 韻 を 聞 き 取 る こ と が 難 し か っ た り す る た め に 話 を 聞 い て 理 解 す る こ と が 困 難である。
7.4.1.2. 指導内容と留意点
7.4.1.2.1. ・認知の特性に応じた指導方法を工夫し、得意 な方法を積極的に活用するとともに、不得意 な課題を少し ずつ改善 するよう指導 する。 ・ 児童生徒が自分の得意な学習の方法を理解してから、使え るように 指導する。
7.4.2. (5) 認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること
7.4.2.1. 具体的な状況
7.4.2.1.1. ・ 左右の概念の理解が困 難で、左右の 概念を含 ん だ指示や説明が理解で きず、学習を 円滑に進 め ることができ ない。
7.4.2.2. 指導内容と留意点
7.4.2.2.1. ・ 様々な場面で 、見た り 触ったりする 体験的な 活動 と 「 左 」 や 「 右 」と い う 位 置 や 方 向 を 示 す 言葉 を 関 連 付 け な が ら 基 礎 的 な 概 念 の 形 成 を 図る。
7.5. Ⅵ コミュニケーション
7.5.1. (3) 言語の形成と活用に関すること
7.5.1.1. 具体的な状況
7.5.1.1.1. ・ 文字や文章 を読んで 理 解すること が困難で あ る。
7.5.1.2. 指導内容と留意点
7.5.1.2.1. ・ 聞いて理解す る力を伸 ばしつつ、読んで理解 する力の形成も 図る。そ の際、コンピ ュータの ディ ス プ レ イ に 表 示 さ れ た 文 章 が 音 声 で 読 み 上げられると同 時に、読 み 上げられた箇 所の文字の 色 が 変 わ っ て い く よ う な ソ フ ト ウ ェ ア を 使って読むこと を繰り返 し指導する。
7.5.2. (5) 状況に応じたコミュニケーションに関すること
7.5.2.1. 具体的な内容
7.5.2.1.1. ・ 話の内容を記憶して前 後関係を比較したり類 推したりすることが困 難なため、会話の内容 や状況に応じた受け答 えをすることができな い。
7.5.2.2. 指導内容と留意点
7.5.2.2.1. ・ 自分で内容をまとめながら聞く能力を高めるとともに、分か らない ときに聞き返 す方法や 相手の表情にも 注目する 態度を身に付 けるなど 、状況に応じたコミュニケーションが展開できるようにする 。
8. ADHD
8.1. Ⅱ 心理的な安定 (1) 情緒の安定に関すること
8.1.1. 具体的な状況
8.1.1.1. ・ 自分の行動を注意された ときに反発して興奮を静 められなくな る。
8.1.2. 指導内容と留意点
8.1.2.1. ・ 自分を落ち着かせることができる場所に移動 してその興奮を静めることや、いったんその場 を離れて深呼吸するなどの方法を教え、それら を実際に行うことができるように指導する。
8.2. (4) 集団への参加の基礎に関すること
8.2.1. 具体的な状況
8.2.1.1. ・説 明 を 聞 き 漏 ら し た り 、 最 後 ま で 聞 か な か っ た り す る た め に 、 ル ー ル を 理 解 し て お ら ず 、 う ま く 遊 びに参加でき ない。 ・ 勝 ち た い 気 持 ち か ら 、 ルー ル を 守 る こ と が で きず 、 う ま く 遊 び に 参 加 で きない。
8.2.2. 指導内容と留意点
8.2.2.1. ・ルールを段階 的に理解 できるように する。 ・適切な行動をロールプレイにより具体的に学 習できるよう にする。 ・遊びへの参加方法が分からないときに、友達に尋ねたり、不安を静めたりする方法を学習できるように する。
8.3. Ⅲ 人間関係の形成
8.3.1. (3) 自己の理解と行動の調整に関すること
8.3.1.1. 具体的な状況
8.3.1.1.1. ・ 状 況 に そ ぐ わ な い 行 動 を す る こ と が あ る た め に 友 達 に 受 け 入 れ ら れ ず 、 集 団参加が難し い。
8.3.1.2. 指導内容と留意点
8.3.1.2.1. ・ 状況に合わせて行動することが自分は不得意 であることを理解し、行動する前に周囲の状 況を観察したり、状況を理解するゆとりをも つようにしたりする態度を身に付けられるよ うにする。その際、ロールプレイのように、 で き る だ け 具 体 的 な 状 況 を 設 定 し て 指 導 する。
8.3.2. (4) 集団への参加の基礎に関すること
8.3.2.1. 具体的な状況
8.3.2.1.1. ・ 友 達 と の 会 話 の 背 景 や 経 過 を 類 推 す る こ と が 難 し く 、 集 団 に 積 極 的 に 参 加 できない。
8.3.2.2. 指導内容と留意点
8.3.2.2.1. ・ 日常的によく使われる友達同士の言い回しや 分からないときの尋ね方などを、あらかじめ 少 人 数 の 集 団 の 中 で 学 習 し て お く よ う に す る。
8.4. Ⅳ 環境の把握
8.4.1. (2) 感覚や認知の特性への対応に関すること
8.4.1.1. 具体的な状況
8.4.1.1.1. 読 ん で い る 箇 所 を 目 で 追 う こ と が で き な い た め 、 本 を 読 む こ と が 苦 手 で あ る。
8.4.1.2. 指導内容と留意点
8.4.1.2.1. ・認知の特性に応じた指導方法を工夫し、得意 な方法を積極的に活用するとともに、不得意 な課題を少し ずつ改善 するよう指導 する。 ・ 児童生徒が自分の得意な学習の方法を理解してから、使え るように 指導する。
8.4.2. (5) 認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること
8.4.2.1. 具体的な状況
8.4.2.2. 指導内容と留意点
8.5. Ⅴ 身体の動き
8.5.1. (1) 姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること
8.5.1.1. 具体的な状況
8.5.1.1.1. ・ 常に身体を動 かし、気 付 かない間に座位や立位 の姿勢が崩れ 、活動が 継 続できなくな る。
8.5.1.2. 指導内容と留意点
8.5.1.2.1. ・ 身体を動かす ことに関 する指導だけ でなく 、姿勢を整えやす い机やい すを使用する ことや 、姿勢保持のチェックポイントを自分で確認できるような指導 を行う。
8.5.2. (5) 作業に必要な動作と円滑な遂行に関すること
8.5.2.1. 具体的な状況
8.5.2.1.1. ・ 一 連 の 作 業 に お い て 最 後 ま で 注 意 の 集 中 が 続 かない。
8.5.2.2. 指導内容と留意点
8.5.2.2.1. ・ 作業工程を分 割し、一つ 一つの工程に 短時間集中することから始めて、徐々に作業に 集中できる時間を長くする。
9. 自閉症
9.1. Ⅰ 健康の保持
9.1.1. (1) 生活のリズムや生活習慣の形成に関すること
9.1.1.1. 具体的な状況
9.1.1.1.1. 極端な偏食や特定の衣服 への強いこだわりがあ る。
9.1.1.2. 指導内容と留 意点
9.1.1.2.1. ・ 困難の要因を明らかにし、無理のない程度の 課題から取り 組めるよ うにする。
9.1.2. (4) 健康状態の維持・改善
9.1.2.1. 具体的な状況
9.1.2.1.1. ・ 運動量が少ない結果、肥 満になったり、体力低下 を招いたりする。また、 心理的な要因により不登 校の傾向が続き、運動量 が少なくなったり、食欲 不振の状態になったりす る。
9.1.2.2. 指導内容と留意点
9.1.2.2.1. ・ 適切な運動を取り入れたり、食生活と健康に ついて実際の生活に即して学習したりするな ど、日常生活における自己の健康管理のため の指導を行う 。
9.2. Ⅱ 心理的な安定
9.2.1. (2) 状況の理解と変化への対応に関すること
9.2.1.1. 具体的な状況
9.2.1.1.1. 予 告 な し に 行 わ れ る 避 難 訓 練 や 急 な 予 定 の 変 更 な ど に 対 応 で き ず 、 混 乱 し た り 、 不 安 に な っ た り し て 、 ど の よ う に 行 動 し た ら よ い か 分 か ら な く な る。
9.2.1.2. 指導内容と留意点
9.2.1.2.1. ・ 予 想 さ れ る 事 態 や 状 況 を 予 告 し た り 、 事前に体験できる機 会を設定 したりする。
9.3. Ⅲ 人間関係の形成
9.3.1. (1) 他者とのかかわりの基礎に関すること
9.3.1.1. 具体的な状況
9.3.1.1.1. ・ 他者とのかかわりをもと うとするが、その方法が 十 分 に 身 に 付 い て い な い。
9.3.1.2. 指導内容と留意点
9.3.1.2.1. ・直 接 的 に 指 導 を 担 当 す る 教 師 を 決 め る な ど 、教師との安定 した関係 を形成する。 ・や り と り の 方 法 を 大 き く 変 え ず に 繰 り 返 し 指導 し て 定 着 を 図 り 、 相 互 に か か わ り 合 う 素 地を 作 る 。 そ の 上 で 、 や り と り の 方 法 を 徐 々 に増 や し て い く 。 そ の 際 、 言 葉 だ け で な く 、 具体 物 や 視 覚 的 な 情 報 を 加 え て 分 か り や す く する。
9.3.2. (2) 他者の意図や感情の理解に関すること
9.3.2.1. 具体的な状況
9.3.2.1.1. ・言 葉 や 表 情 、 身 振 り な ど を 総 合 的 に 判 断 し て 相 手 の 心 の 状 態 を 読 み 取 り 、 そ れ に 応 じ て 行 動 す る こ とが困難であ る。 ・言 葉 を 字 義 通 り に 受 け 止 め て し ま う た め 、 行 動 や 表 情 に 表 れ て い る 相 手 の 真 意 を 読 み 取 る こ と が で きない。
9.3.2.2. 指導内容と留意点
9.3.2.2.1. ・ 生活の様々な場面を想定し、そこでの相手の 言葉や表情などから、立場や考えを推測する ような指導を通して、相手とかかわる際の具 体的な方法を 身に付け るよう指導す る。
9.3.3. (3) 自己の理解と行動の調整に関すること
9.3.3.1. 具体的な状況
9.3.3.1.1. 自 己 を 理 解 す る こ と や 周 囲 の 者 の 自 分 に 対 す る 見 方 を 理 解 す る こ と が 困 難 な た め 、 友 達 の 行 動 に 対 し て 適 切 に 応 じ る こ と が できない。
9.3.3.2. 指導内容と留意点
9.3.3.2.1. 体験的な活動を通して自分の得意なことや不 得意なことの理解を促したり、他者の意図や 感情を考え、それへの対応方法を身に付けた りするできる ように指 導する。
9.4. Ⅳ 環境の把握
9.4.1. (2) 感覚や認知の特性への対応に関すること
9.4.1.1. 具体的な状況
9.4.1.1.1. 読 ん で い る 箇 所 を 目 で 追 う こ と が で き な い た め 、 本 を 読 む こ と が 苦 手 で あ る。
9.4.1.2. 指導内容と留意点
9.4.1.2.1. ・認知の特性に応じた指導方法を工夫し、得意 な方法を積極的に活用するとともに、不得意 な課題を少し ずつ改善 するよう指導 する。 ・ 児童生徒が自分の得意な学習の方法を理解してから、使え るように 指導する。
9.5. Ⅴ 身体の動き
9.5.1. (5) 作業に必要な動作と円滑な遂行に関すること
9.5.1.1. 具体的な状況
9.5.1.1.1. 手 足 を 協 調 さ せ て 動 か す こ と や 微 細 な 運 動 を す る こ と が 困 難 で あ る。
9.5.1.1.2. 自 分 の や り 方 に こ だ わ り が あ り 作 業 に 必 要 な 巧 緻 性 が 育 っ て い な い。
9.5.1.1.3. 他 者 の 意 図 を 適 切 に 理 解 で き な か っ た り 、 一 つ の 情 報 に 注 意 を 集 中 し て し ま っ た り す る た め 、 教 師 が 示 す 手 本 を 模 倣 し よ う と す る 気 持 ち が も て ず 、 作 業 に 必 要 な 巧 緻 性 が 育 っ て い ない。
9.5.1.2. 指導内容と留意点
9.5.1.2.1. ・目 的 に 即 し て 意 図 的 に 身 体 を 動 か す こ と を 指導する。 ・手足の簡単な 動きから 始めて、段 階的に高 度な動きを指導す る。
9.5.1.2.2. ・ 一つの作業に ついて 、い ろいろな方法 を経験させて、作業の やり方へ のこだわりを 和らげる 。
9.5.1.2.3. ・ 児童生徒と教 師との良 好な人間関係 を形成し 、 児 童 生 徒 が 主 体 的 に 教 師 の 示 す 手 本 を 模 倣 し ようとする気 持ちを育 てる。
9.6. Ⅵ コミュニケーション
9.6.1. (1) コミュニケーションの基礎的能力に関すること
9.6.1.1. 具体的な状況
9.6.1.1.1. ・持 ち 主 の 了 解 を 得 な い で 物 を 使 っ た り 、 相 手 が 使 っ て い る 物 を 無 理 に 手 に 入 れ よ う と し た りする。 ・ 他 の 人 の 手 を 取 っ て 、そ の 人 に 自 分 が 欲 し い物 を 取 っ て も ら お う とする。
9.6.1.2. 指導内容と留意点
9.6.1.2.1. 周囲の者が 、それら の行 動は意思や要 求を伝達しようとした 行為であ ると理解する とともに 、で き る だ け 望 ま し い 方 法 で 意 思 や 要 求 な ど が伝わる経験を 積み重ね るよう指導す る。
9.6.2. (2) 言語の受容と表出に関すること
9.6.2.1. 具体的な状況
9.6.2.1.1. ・ 他者の意図 を理解し た り、自分の 考えを相 手 に正しく伝 えたりす る ことが難しい 。
9.6.2.2. 指導内容と留意点
9.6.2.2.1. まず、話す人 の方向を 見たり、話を 聞く態度 を形成したりす る。次に 、正確に他者と やりとりするために 、絵や写真 な どの視覚的な 手掛かりを活用しなが ら相手の 話を聞くこと や、絵や 記号 を 示 し た ボ タ ン を 押 す と 音 声 が 出 る 機 器 など を 活 用 し て 自 分 の 話 し た い こ と を 相 手 に 伝えることを指 導する。